リチウムイオン電池の他にも、面白かった展示が幾つかあったので、それもついでに紹介したい。

ベクタージャパンのブースでは、総合測定/キャリブレーションツール「CANape」の活用例を、LEGO Mindstorms NXTで作製したクルマを用いて説明していた。

LEGO Mindstorms NXTで作製されたクルマ(開発者のこだわりが随所に込められており、製作にはかなりの日数を費やしたとのこと)

このデモでは、「XCP on BlueTooth」で運転データなどのやり取りをCANapeとLEGO Mindstorms NXT間で実施し、 3軸の加速度センサデータの送信や、運転方向、ギアの入れ替えなどを行っていた。また、別の無線を活用し、クルマに搭載した小型カメラからの映像を同時にCANape上に表示させることも行っていた。

動画
LEGO Mindstorms NXTの動作デモ (wmv形式 3.05MB 23秒)
LEGO Mindstorms NXTを動作させているときのCANape側の動き(右側のグラフが3軸それぞれの加速度で、左側には搭載カメラからの映像が映し出されている)(wmv形式 3.76MB 29秒)

ちなみに、XCPとはキャリブレーション用のプロトコルのことで、今回は"XCP on BlueTooth"を用いたが、「XCP on XX」といった形で各種のネットワークに対応しており、 CAN、LIN、FlexRay、イーサネットなどにも対応するという。

このほか、ECUテスト向けにネットワークシミュレーション・測定解析・テスト用の総合開発ツール「CANoe」と連動するテスト機能「VTシステム」なども展示されていた。

同システムは、CANoeと連携しECUのI/Oをテストするハードウェアで、刺激モジュール「VT2004」と負荷および測定モジュール「VT1004」の2つのモジュールが用意されている。

PCから送られてきた値を元にVT2004でセンサ情報などを作製しECUに送信、ECUで処理した後、アクチュエータに送られるデータをVT1004で回収し、結果をPCへと送るといった使用方法となるという。

モジュール搭載は19"ラックが提供されており、展示されていたものは最大12枚の搭載が可能(1枚4チャネルでVT2004とVT1004は組み合わせて使用するため、24チャネルまで使用可能)、ただし、顧客のテスト要件に応じてハードウェア、ソフトウェアのユーザーインタフェースなどはベクタージャパン側で対応するとのこと。

VTシステムのデモ全体図

VT1004のモジュール

VT2004のモジュール

また、CANoeにはテストの自動実行機能も搭載されているため、1つ1つ手作業で仕様のチェックをするような手間もテストスタートからレポート作成まで自動でやってくれる。そのため、チェックする個人によりバラつきが生じていたECUの品質の統一ならびに向上や、繰り返しテストの際の負担の軽減などが実現されるという。