近い将来、検索の主流はモバイルに
新しい発表はなかったものの、今回のSearchologyではモバイルも大きく取り上げられた。5月7日にGoogle公式ブログに掲載された「創業者からの手紙2008」の中で、Sergey Brin氏は「今日、日本ではGoogle検索の3分の1程度がモバイルデバイスから実行されている。これは、残りの世界が今後どのように変化するかを示す指針だ」と指摘している。
モバイル検索においても、スピード、関連性、総合力、最新の情報が重要であるのは変わらない。一例としてPCとの連携のプレビューデモが披露された。PCでフライト番号を入力して飛行機のステータスを確認。続いて携帯電話で検索しようとすると、すぐにPCで入力したフライト番号がキーワード候補のトップに現れた。ユーザーアカウントでログインすれば、検索履歴を複数のデバイスで共有できるのだ。特にモバイルデバイスでは、入力の手間を省く支援機能になる。
ほかにもGPS搭載のBlackBerryで「sushi」と検索。入力中にどんどん検索が進行し、リターンを押す前に近くの寿司屋のリストアップが完了した。結果をワンクリックすると、即電話をかけられる。スピーディーだ。
最後に紹介されたGoogle Sky Map for Androidは、携帯端末向け星座マップ・アプリだ。星座マップでの検索といえば、探している星を星座マップ上で特定する作業を想像する。もちろん、それも可能なのだが、Androidで動作するG1はGPSとコンパス機能を備える。たとえばSky Mapで「gemini(双子座)」と検索、そして夜空にG1を掲げるとG1の画面に矢印が現れる。それに従って、双子座と重なる位置にG1を持っていくと「双子座を発見!」に変わる。実際の星空と照らし合わせられるのだ。
これまでのPCによる検索は、キーボード/ マウスを通じて人とネットが結びついていた。今日の多機能携帯は、カメラやGPS、マイク、さらに各種センサーを備える。例えば都市名や郵便番号などを入力しなくても自動的にユーザーのロケーションが特定され、カメラは目の代わりになる。モバイルデバイスはPC以上に実世界とネットの世界を太く結びつける。ユーザーの問題解決に、検索が果たす役割もより大きくなるだろう。次のSearchologyが2年後だとしたら、次回はモバイル検索が主役のイベントになるかもしれない。