Silverlightで雑誌やラジオに新しい息吹

RIAに話題を移したGuthrie氏は、Silverlight 3の3Dグラフィックスやアニメーションの表現力を示すために、昨年のMIXでWPFのデモに用いたEffectsアプリを今年はSilverlightで動作させた。

EffectsアプリのデモをSilverlightで再現

アプリケーション開発では、検索エンジン最適化(SEO)に対応するディープ・リンキングやブックマーキング、マルチタッチUI技術のサポート、100を超えるコントロール、ライブラリキャッシングなどを強化点とする。

Bondi Digital PublishingのDavid Anthony氏とVertigoのScott Stanfield氏がプレビューしたCoverToCover.com。Rolling Stone誌のバックナンバーのページがスムースに並び、ズームイン/ズームアウトで快適に読み進められる

コンテンツ検索をサポート

タッチまたはマルチタッチによる操作も可能

続いてRIA開発ツール「Expression Blend 3」のプレビュー版を発表すると共に、新機能「Sketch Flow」のデモを披露した。これは文字通りスケッチをフローで組み立てられる機能である。デザイナーのアイディアスケッチ状態のまま、コントロールなどを組み込んでラフな形にまとめたレイアウト・デモを作成できる。アイディアを形にする、Expressionらしい新機能と言える。デモはWebブラウザを使って確認でき、クライアントなどがコメントを付け加えられる。

「Sketch Flow」。画面中央下がアプリケーション・フロー。画面左側のツールでスケッチを作成

右側からSilverlightコントロールなどをスケッチに指定可能。右下の四角がボタン化している

Expression Blend 3はPhotoshopやIllustratorからのインポートをサポートする。またSoyatechがオープンソースの統合開発環境「Eclipse」で利用できるプラグイン「Eclipse Tools for Silverlight support for Macintosh」のプレビュー版をリリースした。これによりWindows環境だけでなく、Mac OS環境でもSilverlightプラットフォーム向けの開発が可能になる。

Silverlight 3では新技術「Out of Browser」によって、Silverlightアプリをスタンドアロンで動作させられる。Guthrie氏は同機能がサンドボックス・モードで動作する点を強調し、ユーザーが「警告などに妨げられずに、安心してサービスを利用できる」とした。ほかにも自動的にアプリが最新状態に保たれる自動アップデート、ネット接続が切れた時に自動的にふるまいを変えるオフライン機能など、Out of Browserにおいても「ユーザーのスムースな利用体験の実現」が追求されている。

シアトルのラジオ局KEXPがOut of Browserを使ったSilverlightアプリのデモを披露。ラジオを聞きながら、DJやリスナー同士のコメント交換、情報の共有が可能。寄付で成り立つコミュニティ・ベースのラジオ局を世界規模に広げる

ネット接続が切れると通知が現れ、画面にダウンロードコンテンツが自動的に表示された。キャッシュ機能を用いて、オフライン時でもダウンロード・データを楽しめる

最後に「数千の新API、数百の新機能、新コーデック・サポート、Out of Browserなどを備えるSilverlight 3のダウンロードサイズは?」

豊富な機能強化に関わらず、Silverlight 3は現行バージョンから40KBのスリム化を果たしている