店舗に届けられた衣類は、受け取りを行うが、これまでは単に店舗に納入されたかどうかどうかまでしか把握できなかったという。しかし、店舗に届いてもすぐに店頭に品出しされるわけではなく、場合によっては、バックヤードと呼ばれる商品保管場所からそのまま返品されるケースもあったという。
そこで今回の実験では、In-shop gateというRFIDリーダを取り付け、店舗内での衣類の流れを追跡することしたという。
具体的には、店舗での商品受け取りとは別に、店頭に商品を出すときに、In-shop gateを通過させる。これにより、その商品が店頭に出されなかったために売れなかったのか、店頭に出されたにもかかわらず売れなかったのかなどの原因を分析することが可能となったという。
また、店頭にはスマートシェルフとスマートフィッティングというRFIDリーダを取り付け、消費者行動を分析した。
スマートシェルフは各棚に付けられたRFIDリーダで、スマートフィッティングは、試着室に着けられたRFIDリーダだ。
スマートシェルフでは、各棚に付けられたRFIDリーダで顧客がその商品を手に取ったかとうかを判別する。これは棚の下にRFIDリーダが取り付けられ、常に商品を監視。商品がリーダの読み取り範囲から外れたことにより、手に取られたどうかを判別する。ただ現状では、店員が行ったのか、顧客が行ったのかの判断までは行えないので、今後はデータの精度を高める工夫が必要だという。
一方、スマートフィッティングは、商品が試着室に持ち込まれたどうかを判別する。試着室には、複数の商品を持ち込むことが多く、その場合、ユーザーはどの商品とどの商品で迷い、最終的にどの商品を選んだのか、試着しても購入しなかったのは、サイズやスタイルに問題があったのではないか、などが分析できるという。また、試着室の持ち込まれた組み合わせにより顧客の好みを判断、店舗内での配置を変えるなどの工夫もできるという。