マイクロソフトは、企業の市民活動の一環としてITを活用した女性の就労支援活動を実施している。当初、同活動は2009年3月末で終了とされていたが、3年間延長されることになった。同社は3月6日に、都内で同活動に関する記者説明会を開いており、その時の模様をお届けする。
2002年からITを活用した女性の就業支援活動を行っているマイクロソフト。2006年には全国女性会館協議会との協働プロジェクトとして「女性UPプログラム全国版」を開始し、DV被害女性やシングルマザーの就労支援、女性の起業支援を全国的に展開している。その参加者は2008年10月までに4,137名を数え、うち12.9%が就労、22名の女性が実際に起業に至ったという実績を残した。同プログラムの実施は当初2009年3月末までの予定とされていたが、「IT活用による女性の就労支援3ヵ年計画」と新たに名称を改め、実質的に3年間延長されることが発表された。
新たなプログラムでは、これまでの取り組みの"フェーズⅢ"という位置づけで、対象分野や実施施設、目標がさらに拡大され、2009年4月から2012年3月までの間、実施される。従来からのDV被害女性やシングルマザーだけでなく、新たに農業に従事する女性や若年ニート女性の就労、女性支援施設のキャパシティ強化も対象分野に加えられる。
マイクロソフトと協働してプロジェクトの中核を担う、全国女性会館協議会常任理事で横浜市男女共同参画推進協会理事・統括本部長の桜井陽子氏は、これまでのプロジェクトを振り返り「パソコンはいまや筆記用具のひとつと捉えている。例えば履歴書からしてネットでダウンロードというところもある。パソコン技術の習得は必ずしもそれが就労に直結するというわけではなくても、母子家庭やDV被害女性にとってはそれが自身の自信回復につながるというところが大きい。それがこれまでの就労支援とは違い、女性センターがやったことの意義」と強調する。
加えて、同氏は|新たに実施される3ヵ年計画について「昨年末に実施された派遣村のニュースを見ても来ているのは男性ばかり。でも実際は、就労に窮しているのは母子家庭の女性や、女性の"若年ニート"と呼ばれる人など支援を求める女性は大勢いる。特に女性の若年ニートは、統計上"家事手伝い"と分類されてしまい、問題が顕在化しないので対策が不十分。そういう人たちにも手を差し伸べなければならない」と説明。