富士通は、1月19日、1WAYのコンパクトサーバ「PRIMERGY(プライマジー)TX120」を一新し、デスクトップ型サーバとしては世界初(富士通調べ)となる国際エネルギースタープログラム4.0に対応した「PRIMERGY TX120 S2」を発表した。

サーバというと「大柄で騒々しい」と思われやすいが、実際のところはどうなのだろう。富士通の最新型コンパクトサーバを例にとって、レビューしてみたいと思う。

サーバに求められる条件はさまざま

今回レビューを行った富士通の「PRIMERGY TX120 S2」

一言でサーバといっても、ユーザーによって要求する条件や利用環境はさまざまであり、単一の機種ですべての要求に対応するのは難しい。「多少高価でも、予想される大きな負荷に耐えられるだけの高性能なサーバが欲しい」という場合もあれば、「必要にして十分な性能があればよく、設置スペースやコストを抑制したい」という場合もあるだろう。

規模が小さいSME(Small and Medium Enterprise)、あるいは部門レベルで設置・運用するサーバについては、後者に該当するものが多いと考えられる。規模の小ささ故に専用のサーバルームを設置できず、オフィスの片隅にサーバを設置する代わりに、サーバの負荷は比較的少ないと考えられるからだ。

SME向けサーバに求められる条件

筐体が大柄で、かつ広い設置スペースを必要とするサーバは、貴重なオフィスのスペースを塞いでしまう。しかも、そうしたサーバは往々にして騒音や発熱が大きいものだから、オフィスの快適性も損ねてしまう。

さらに、消費電力が大きいと、単にサーバの運用にかかる電気代が増えるというだけでなく、夏季には空調の負荷を増やすため、サーバ自身が消費する分以上に多くの電気代を必要とする。CO2の排出とか地球温暖化とかいう話を抜きにして、純粋に経済的見地から見ただけでも、電力消費が少ないに越したことはない。

これはSMEに限らず、大企業やデータセンター事業者でも同じだ。サーバの発熱や消費電力が増えると、結果的に空調の負荷や設置スペースの問題に波及して、大幅なコスト増を引き起こす可能性がある。必要な性能を確保するという前提を守った上でのことだが、サーバのコンパクト化や省エネルギー化は、無視して通ることができない課題といえるだろう。

「PRIMERGY TX120 S2」の主なスペック

CPU インテル Core2 Duo T9400(2.53GHz) / P8600(2.40GHz) /インテル Celeron 575(2GHz)
メインメモリ 標準 1GB、最大16GB
内蔵2.5インチベイHDD (SAS) 標準 SAS、2.5インチ、10,000rpm、ホットプラグ対応
内蔵DVD-ROM 最大8倍速 DVD-ROM / 最大24倍速 CD-ROM (SATA)
インタフェース ディスプレイ、シリアルポート、キーボード(USB)、マウス(USB)、USB 8(内部:1 / 外部:7)
ネットワーク オンボード 1ポート(1000BASE-T / 100BASE-TX / 10BASE-T 択一)
拡張バススロット PCI Express 3 、PCI 1
入力コンセント AC100V (50 / 60Hz)
外形寸法 99×399×340(W×D×H(mm))
質量 最大10kg
サポートOS Windows Server 2008 / Windows Server 2003 R2 / Red Hat Enterprise Linux