経営プロセスにおけるリスク対応の具体的なソリューションとして紹介されたのが「Oracle Enterprise Performance Management」だ。これよってマネジメント・エクセレンスを実現することで、企業は大きな競争力を得ることができるという。
「過去10年から15年間で多くの金融機関が取り組んできた、ERP等を導入して業務効率化・標準化を実現する手法をオペレーショナル・エクセレンスと呼んでいる。これだけでは、世界同時不況を生き残っていくことはできないと感じている。先が見えない時代と言われるが、あらゆる不確定要素が企業にとってのリスクであり、そのリスクを管理して経営管理をするのが重要。ここで経営力を強化することをマネジメント・エクセレンスと呼んでいる」と日本オラクル アプリケーション事業統括本部 ビジネス推進本部 EPM担当シニアマネジャーの箕輪久美子氏は語る。
具体的な経営管理におけるデータと業務の流れに日本オラクルのEPMシステムソリューションをマッピングすると、全体をカバーできるという。特に、迅速な導入やTCOの低下が期待できる「BI Applications」、戦略的中長期計画策定やシナリオ分析を可能にする「Hyperion Strategic Finance(HSF)」、モンテカルロシミュレーションによるリスク分析を行う「Oracle Crystal Ball」、予算編成・予実管理プロセスの統合一元管理を実現する「Hyperion Plannning」は大きな効果が見込めるという。「モンテカルロシミュレーションは、解析解では答えの出しづらいもののシミュレーションを可能にする方法。今後さらに注目を集めると思う」と入江氏は語った。
国際会計基準への対応
国際会計基準への対応については、4つのフェーズに分ける考え方が提示された。段階的に対応し、ビジネスの最適化を行うにあたって有効なのが「Hyperion Financial Management(HFM)」だ。「多軸の管理でグループ経営管理が可能なのがHFMの特徴。多くの金融機関は制度連結と管理連結を別の仕組みでやっているが、1つの仕組みで管理を行いたい、制管一致させる取り組みが始まっている。これを実現しているのがHFM」と箕輪氏は語った。