--メンバーからプライバシーを懸念する声はありますか?
Blykの加入に縛りはありません。希望者はオンラインで手続きをして、SIMパックを受け取るだけ。SIMを差し込めばいつでも利用できるし、SIMを抜けば止められます。
我々はメンバーに対し、自分が興味を持つかもしれない製品やサービスを知らせるのと引き換えとして、広告が通話料金を払っている、ということを明確にしています。メンバーになるには、オンラインでプロフィールを入力する必要があります。ここでは、好きなスポーツ、好きな音楽バンド、好きなサッカーチームなどの質問に答えてもらいます。
若者は無料と引き換えに広告を受け取ることを嫌がっていません。高いレスポンスレートがそれを実証しています。プライバシーを気にする声は現在では見られません。
--HSDPAなどにより、モバイルネットワークが高速になってきました。現在、音声通話とSMSが無料ですが、データサービスに拡大する予定はありますか?
データ側での取り組みとしては、広告主に「ゼロレート・トラフィック」を奨励しています。自分たちのWebサイトのブラウズを無料にするサービスです。
我々は技術企業ではありません。広告主がいま現在のオーディエンスにリーチできるようにするため、メンバーがいま利用しているもの、90%のユーザーが利用できる技術・慣れ親しんだ技術で提供します。そういったことから、いまのところ音声通話とSMSを提供しています。もちろん、ユーザーの行動パターンを注視しており、技術の進化とユーザーの行動パターンに合わせて変えていきます。
実際のところ、メディア出身の私の意見としては、若者は技術ではなく、コミュニケーションを求めていると思います。SNSが流行している背景もここにあります。技術が実現するものもありますが、ユーザーが最も求めているのは最新技術ではありません。
--今後の戦略について教えてください。
2009年1月にオランダに進出します。その後、ベルギー、スペイン、ドイツなどの国に広げます。
アジア戦略も近く発表する予定です。特に、日本には大きな興味を持っており、日本のさまざまな企業と話し合いを持っています。日本は興味深い市場です。モバイルの利用が進んでおり、広告もよく利用されていますが、関連性はまだ低いようです。
地理的拡大にあたって、地域の特徴にあわせることは重要です。業界の構造、利用されている技術などを考慮し、正しいアプローチを探っています。