「Adobe Flash Professional」との連携強化

今回のバージョンアップでは、Adobe Creative Suite内でのデータ共有、連携の強化がなされている。特に「Adobe Flash Professional」との連携では、After Effectsで組んだレイヤーの構造を、限定的ではあるがAdobe Flash Professionalのプロジェクト内のレイヤーとして使用することができるようになった。これまで、After Effectsで作成したアニメーションをFlashで使用する場合は、SWFもしくはFLVといった、Flash側では内容を編集できない素材として出力するしかなかった。しかし、XFLファイルで出力すれば、Flash側でもアニメーションの修正ができるため、修正のためのアプリケーション切り替えもこれまでよりも少なくて済むことになるだろう。

After Effects側のレイヤー構造

XFLファイルとして出力し、Flash Professionalに取り込んだもの。Flash側でサポートされていないエフェクトなどはラスタライズされる

まとめ

簡単ではあるが、前編、後編の2回に分けてAfter Effects CS4の新機能を紹介してきた。この他にも、仕様の違う携帯端末向けのソースをDevice Centralとレンダーキューを使って効率よく出力する機能や、「Adobe Premiere Pro」とのシーケンスデータの連携強化など、まだまだ紹介していない機能も多い。
今回のバージョンアップ内容を見渡すと、かなりAdobe Creative Suite内での作業連携を強化する機能が重要視されていることがわかる。その代表的な機能がXFLファイルによるFlash Professionalとの連携であり、「Photoshop」の3Dレイヤーへの対応なのだろう。今回のバージョンアップにより、After Effectsは、単なるビジュアルエフェクトソフトという存在から、コンテンツのソースを生み出すためのAdobeの映像系ソフトウェアの中核ソフト、映像制作の次世代ワークフローの中心としての役割を持つソフトへ、変化がはっきりしてきたといえるのではないだろうか。