澤本氏は、『宇宙人編』の収録中に、演じている生徒たちの中でCMの設定時間が統一されていないことに気づき、「宇宙人が家に来たのは何時か ?」、「設定時間をふまえた上で、お母さんの対応は妥当か ?」、「宇宙人はお母さんと話しているとき、どんな感情を抱いているのか ?」などを生徒に認識させ、演じる生徒全員が同じ意識を持つ必要性を伝えた。

『宇宙人編』を制作した三成チームの収録風景

生徒たちは収録中に、澤本氏から直接アドバイスをもらっていた

「今回君たちは原稿も書いて、出演もしているでしょ? 原稿では、演じる役者さんに設定時間も伝えないと分からないのです。それがわかると役者さんも演じやすくなります。仮に夜なら眠そうな声で演じる場合もある。また天候によっても、演技は違ってきます」(澤本氏談)

ラジオCMのシナリオにも時間設定があり、その時間に応じた登場人物の感情や、状況をしっかり考えることも大切である。演者全員がそれらの設定を共有して作品づくりに取り組まないと、違和感のあるCMになってしまうということを澤本氏は、生徒たちに伝えた。

ラジオCMには、ナレーション役として、ニッポン放送の飯田浩司アナウンサーも参加した(写真右上)

今回、普通の中学生を起用してラジオCMを制作した澤本氏は、次のように感想を述べた。

「基本、中学生たちは緊張しないんだなって思いました。あと、上手ですよ。この年齢でこれだけできると相当期待できると思います。今後も中学生とかを使ってCMが作れたら面白いですね。また、これだけ(講演を行ったときの生徒数は約200人)いれば、何人かは才能がある人がいるなと思いましたね」

学校の授業から始まった、この企画は、実際のCM制作という大きなゴールにたどり着いた。自分たちが制作したCMが実際のCMとしてオンエアされるという、貴重で有意義な体験。それを女子中学生たちが実感するのは、ラジオから流れてくる自分の声を聴いたときではないだろうか。収録現場の彼女たちには、無邪気にこの時間を楽しんでいるという印象があった。澤本氏が『200人の生徒がいれば、その中の数人はCMプランナーになる才能がある』と語っていたように、そんな彼女たちの中から、未来のクリエイターが生まれるのかもしれない。

ラジオCMの放送時間一覧(予定)

日にち 時間
1月11日 22:30★
1月12日 22:10~22:20、23:00★、24:00★、26:40~26:50
1月13日 22:10~22:20、23:00★、24:00★、25:50~26:00
1月14日 22:30~22:40、24:40~24:50、26:40~26:50
1月15日 22:10~22:20、23:00★、24:00★、25:40~25:50
1月16日 22:50~23:00、26:40~26:50
1月17日 22:30★、25:40~25:50、26:55~27:05
1月18日 24:20~24:30、25:00★

★はその直前の時間に放送。そのほかは、放送される目安の時間帯である。