EmbarcaderoによるCodeGear買収で技術者が流出した影響については「ほとんどない」と語るBorlandのJoachim Herschmann氏(Director of Management/LQM) |
ボーランドはもともと開発ツールを提供していた企業だ。その目的は開発生産性を向上させることにある。開発生産性を向上させるという企業理念は今も昔も変わっていない。変わったのは環境の方だ。以前は開発ツールを提供することで開発生産性を向上させることができたが、現在それだけでは満足な成果が得られない状況にある。開発生産性を向上させるには開発ツール以外の管理をさらに効率化する必要がある。それゆえのALMだ。
状況はさらに進み、ボーランドプロダクトだけでALMを実現すればよいという段階から、他社のプロダクトやシステムも含めて開発生産性を向上させる必要がでている。それがゆえのOpenであり、Open ALMというわけだ。SilkPerformerを足がかりにしてボーランドプロダクトを展開していくにあたっても他社プロダクトとの相互接続性は欠かせないもので、Openにはそうした意味も含まれているとみられる。
Borland Softwareの開発ツールチームはCodeGear事業部として分離され、5月7日(米国時間)、ついにEmbarcadero Technologiesへ売却された。分野内の競争が激化しているためポートフォリオを集約しなければ似たようなことを行っている企業は共倒れになってしまう。それぞれの分野をはっきりさせ、関連企業の買収を進めて体力のある企業を作る。こうした発想のもとにBorlandもCodeGearも買収や合併を進めているわけだ。
SilkPerformerはほかの類似プロダクトと比較して最新技術のキャッチアップが素早い。これには会社自身をALMに注力した体制に作り替え、迅速に動けるようにした効果が多い。同社は今後もこうした取り組みを推め、ALMで積極的なコミットメントを実施する計画だ。開発生産性の向上を実現しなければならない立場にあるのであれば、今後もボーランドの動向に注目だ。