2008年度上期の業績
なお、2008年度上期の連結業績は、売上高が前年同期比11.9%減の477億円、営業利益は同29.4%減の21億円、経常利益は同10.5%減の17億円、当期純利益は同71.0%減の3億円と、減収減益となった。
公営競技向けトータリゼーション端末の増加、POSシステムの大口商談の増加に加えて、店舗向けATMサービスの順調な伸び、地銀を対象にした金融分野向けパッケージソフトの販売増加があったものの、前年同期の売り上げを支えた大手都銀向け営業店システムの統合需要の終息、韓国における新券需要の終息などが影響した。
部門別では、韓国の新券需要の終息による影響で80億円の売り上げ減少、営業店システムで25億円の売り上げ減少が影響した金融システムの売上高が同35.2%減の227億円、営業利益が同87.1%減の4億円。
流通システムの売上高は、同19.1%増の90億円、営業損失は1億円の赤字。産業・公共システムが売上高が同89.2%増の63億円、営業損益は前年同期の赤字から黒字展開し4億円。ソフト・サービスの売上高は同18.7%増の95億円、営業利益は倍増の14億円となった。
通期業績見通しを下方修正
また、同社では、2008年度通期の業績見通しを下方修正した。
売上高は7月23日の公表値に比べて60億円減少の1,010億円、営業利益は8億円減の46億円、経常利益は9億円減の39億円、当期純利益は7億円減少の18億円とし、当初の増収増益の計画から、減収減益の見通しとなった。
売上高で60億円減少の内訳は、金融システムが31億円減少、流通システムが6億円減少、産業・公共システムが22億円減少、ソフト・サービスが1億円の減少となっている。
だが、その一方で、2010年度の中期目標として、連結売上高1,500億円、連結営業利益率7.0%を目指すことを明らかにした。
グローバルビジネスの強化として、海外向けの金融ビジネス、POS、新製品などによって、2008年度には180億円のグローバル売上高を300億円に拡大。
また、サービスビジネスの拡大として、ATMアウトソーシングビジネス、店舗向けATMビジネスによって、2008年度に84億円のサービス売上高を、150億円に拡大。新規ビジネスでは、2008年度の20億円から100億円へと急拡大させる。2010年における新規ビジネスの売り上げの内訳は、手のひら静脈認証が27億円、電子ペーパーが50億円、RFIDが20億円としている。
海老原光博社長は、「この2カ月で、日本の金融機関において、ATMの導入計画が先送りになったり、スペインの金融機関がIT投資を凍結するなど欧州では壊滅的状態。また、中国も厳しくなりはじめている。韓国はウォン安の影響があり、投資を先送りする動きが出ているが、5万ウォン、10万ウォンの新札発行の動きもあり、これに伴う需要が見込める。見通しや中期計画のなかに、厳しい状況は折り込んだが、先行きがわからないのは事実。事業フォーメーションの再編が必要であり、製・販・流に至るまでのライフサイクルマネジメント全般を一本化し、強くしていく必要がある。競合各社との相互供給を含めて、他社との協業も積極的に行い、シナジー効果を発揮していく」などとした。