アプリケーションの次は、サーバやサービスの問題を解決するデベロップメント・ラボへ移動。プロジェクト「Alchemy」やRIA開発ツール「Flex」の次期バージョンとなる「Gumbo」(コードネーム)のデモが披露された。
Alchemyは、C/ C++のコードをActionScript Virtual Machineで動作させる変換ツールだ。30年以上の歴史の中で蓄積されてきたC/ C++のオープンソースコードを、FlashやAIRで動作するWebアプリケーションに活用できる。また「AlchemyによってFlashがよりメディアリッチになる」という。たとえば、Flash Player 10のサウンドAPIとAlchemyを組み合わせることで、Ogg VobrisのようなFlashプラットフォームでサポートされていない形式でも扱えるようになる。
Alchemyを介してFlashで動作する「QUAKE」 |
エージェントBの腕時計カメラで撮影したエージェントFの顔。RAWイメージであるためFlashプラットフォームのサポート外だが、Alchemy経由のdcrawで対応 |
続いてバックエンド。デザインラボでPhotoshopからFlash Catalystを経てきたFlexプロジェクトを、サーバ側のロジックに結びつけるためにGumboにインポート。管理インタフェースを作成する上で、「ここで必要になるのがスーパープロダクティブな言語だが、なにか適当なツールはないものか…」と悩むエージェントBに、横から「ColdFusionでどうだい?」とささやくエージェントF。バトンタッチ後、ColdFusion向けのEclipseベースのIDE「Bolt」(コードネーム)がColdFusionの次期バージョン「Centaur」(同)と共にリリースされることが発表された。
GumboのFlex Builderではデータ管理が強化されている。ColdFusionコンポーネント (CFC)をベースに、コーディングすることなくサーバ側のロジックをフロントエンドにマッピングできるほか、クライアント側からもデータ管理オペレーションを対応するサーバ側のオペレーションへ容易にマッピングできる。たとえば保存ボタンを追加する場合、Flex Builderで右クリックして簡単にイベントハンドラを生成できる。テスト機能もGumboの強化点の1つとなっており、たとえばネットワークモニタを通じてFlashクライアントとバックエンドサーバ間のトラフィックをGumboから監視できる。
ここでエージェントFの二重スパイ疑惑が浮上。画面を見たらFlex Builderではなく、なんとVisual Studioが動いていたのだ。
これは前日にEnsembleが発表した「Tofino」という、Visual Studioを用いてFlexフロントエンドを作成できるプラグインを利用したソリューションだ。「.NETデベロッパもリッチなインターネット体験をもたらすアプリケーションを構築したがっているが、それを実現できるクライアント技術に恵まれていなかった」とエージェントF。