SoCも投入

加えて、同社は組み込み製品向けとして、2008年7月23日に「Tolapai(コードネーム)」をネットワーク向けSoCとして、「Intel EP80579」として発表している。

特定用途に特化した製品だけに、組込機器といっても使用される分野は限定的となるが、「基板の関係上、1チップを欲しがるカスタマもいる」(同)ということであり、デジタル家電向けに「Canmore」が開発されているし、第2世代品として「Sodaville」が2009年の登場を予定、そのほかにもMID向けSoC「Moorestown」やGPU統合SoC「Lincroft」などの開発も進められており、少なくとも15個以上の開発プロジェクトが存在している。

組み込み市場でファンを増やす

ともあれ、AtomとSoCの市場投入により、同社は、組み込み市場に向け、4つの柱を得たこととなる。その中でも、やはりAtomへの期待は大きい。しかし、RISCアーキテクチャがこれまで築いてきた低消費電力組込機器向け文化は、すでに巨大な市場を形成している。同社では、「簡単にx86が影響を与えるのは難しい。奇をてらわず確実にAtomのロードマップを拡大して信頼を得ていきたい」(同)としており、そのためには「カスタマとの関係を深くすることで、接する機会を増やし、ファンを増やしていくことが大切」(同)とし、草の根的な地道な啓蒙活動を行っていく。

金氏は「色々なアイデアを具現化できるのがAtomという製品だと思ってもらいたい」と語る。x86アーキテクチャの特長を生かし、Windowsだけではなく、Linuxでの活用も拡がりを見せつつあり、ミドルウェアなども増えつつあるという。こうした状況は、「Windows 3.1とIntel 486が登場した頃の、これから何ができるようになるのだろう、という期待を沸かせたパソコン業界と近い感覚があるかもしれない」(同)としており、「色々と(Atomの)使い方をユーザーと一緒に考えながら、より組み込み市場でのファンを増やしていければ」(同)と、今後の成長に向けて、ユーザーと一体となった取り組みを進めていくことを強調した。