先週13-14日、東京池袋でコールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2008が開催された。今回は、その中で行われたワークショップでも人気が高かった、Microsoft Dynamics CRM 4.0を採用した、沖ソフトウェアのCRMソリューション「enjoy.CRMII」をレポートする。
OKIソフトウェア e-ソリューション事業部 CTI/CRMビジネスユニット チームリーダー 土田久幸氏 |
コンタクトセンターの課題として、同一市場内でのシェアの奪い合いによって市場が広がらない現状や、90%の顧客はパーソナライゼーションがリピートオーダーに大きく寄与していると答えている事実、不祥事が起こった際における対応によって顧客が離れていくといった現状を踏まえ、OKIソフトウェア e-ソリューション事業部 CTI/CRMビジネスユニット チームリーダー 土田久幸氏は「このような状況の中、企業としては、顧客側の視点に立ったカスタマイズ化をしてサービスを展開しなくてはなりません。さらに、コンプライアンスの観点も重要となります。結果としていえることは、改めてCRMで情報を管理できるインフラを再構築する必要があるのです」と語る。
全体最適化という言葉が示すように、CRMにおいては顧客と企業が点と点ではなく、面で繋がることが重要となる。今までのCRMでも、直接顧客と繋がるコンタクトセンターを中心に営業やマーケティング、保守部門といった部分はしっかり顧客と繋がっているケースが多い。しかし、バックボーンとなる企業内の基幹システムをはじめ、各部門の横の繋がりはうまく機能していないことは多々ある。「私どもが提案しているのは、お客様を中心として、各部門や基幹システムがそれぞれ点で繋がるのではなく、すべてが面でしっかりつながるというシステムをコンセプトとして表現しています」と土田氏。CRMを軸に顧客との繋がりを強くし、さらに連携インタフェースを用いることで、バックボーンとも連動するという概念となる。
土田氏は統合CRM「enjoy.CRMII」について、「CTIとして弊社の『CTI stage5i』と標準で連携させることができ、業務に合わせたテンプレートを豊富に用意しているので、設定レスですぐに活用していただくことが可能となります」と語る。そのほか、柔軟なカスタマイズやコアにMicrosoft Dynamics CRM4.0を採用していることにより、Officeアプリケーションと密に連携できることも特長だ。
豊富なテンプレートを持っているとはいえ、業種や業務によっては自社サービスに合わせたカスタマイズが必要になるケースは多い。Microsoft Dynamics CRM4.0の最大の特長ともいえる柔軟なカスタマイズ性は、ここで大きな効果を発揮する。「画面をカスタマイズすることで、従来のようにデータベースを変更しなければならないということはありません。レポートのプログラムを変えなくては動作しないということもないのです。変更したその時から、データベースで変更を加えたテーブルを使うといったことも可能なのです」と土田氏もそのメリットを強調する。