11月7日、東京都新宿区のベルサール西新宿にてWeb開発者/管理者向けの技術カンファレンス「Web Directions East」が開催された。
CSSエディター「Style Master」などの開発者として知られるJohn Allsopp氏や、HTML/CSSの第一人者と呼ばれるEric Meyer氏ら、世界的に著名なデベロッパーが多数登壇。来場者に最新の技術情報、開発ノウハウを披露した。
本稿では、オープニングスピーチに続いて行われたMeyer氏のセッションを中心に、同カンファレンスの模様をお伝えしていこう。
Berners-Lee氏もビデオメッセージで登場
Web Directions East開会の挨拶をするJohn Allsopp氏 |
Web Directions Eastは、豪州や北米で開催されている「Web Directionsconference series」の共同主催者の1人、John Allsopp氏の挨拶から始まった。氏は、今回が第1回目となる「Web Directions East」の開催を喜び、Webの最新技術に触れられる貴重な機会を楽しむよう参加者に伝えた。
Allsopp氏に続いて、Tim Berners-Lee氏によるビデオメッセージが放映された。Tim Berners-Lee氏は、World Wide Webの発明者で、英国にてナイトの称号を授与された人物。W3Cの設立者であり、同団体の技術統括責任者を務める。そのBerners-Lee氏は、Allsopp氏より「W3Cのゴッドファーザー」と紹介され、ビデオメッセージの中で日本人開発者に対してCSSをはじめとするW3C標準技術の利用を促すコメントを残した。
Google ChromeはAndoroidも包み込む!?
Berners-Lee氏らのメッセージに続き、基調講演にあたるセッションを務めたのがEric Meyer氏だ。HTMLやCSSに関する著書を多数執筆し、AOLやApple、Adobeなどのコンサルタントを務めた経験も持つMeyer氏は、「State of the web」と題して講演。近未来を見据えたWeb技術の最新情報を紹介した。
Meyer氏はまず、Webブラウザの現状を解説。今年9月に公開されたGoogle ChromeがWebKitベースであることに触れ、「MozillaのGeckoを採用しそうなものだが、WebKitを選択したのは面白い」とコメント。その理由として「Mobile Safariのようにモバイル向けでも実績があるたろう」との見解を示した。
さらに、Google Chromeについては「その名前に込められたコンセプトが興味深い」と説明し、「クロムメッキのように、さまざまなモジュールを包み込む環境ということを意図しているのだろう。Webブラウザはそのモジュールの1つであり、ほかにもデスクトップやAndroidなどもモジュールとして組み込むことができる。いろいろなアイデアを実験する場を作ったかたちだ」と続けた。