--ライバルはどこですか? Facebookはライバルですか?
Facebookとは製品が異なると認識しています。
MySpaceにとって、競争はユーザー数ではありません。収益性があり、持続可能で安定したビジネスを構築できるかです。これはMySpaceが他のSNSとは違うところです。我々は、収益に変える方法を理解している唯一のWeb 2.0といえます。
MySpaceは、インターネット広告分野で新しい方法を開拓し、ソーシャルWebビジネスを打ち立てました。我々は米国におけるオンライン広告出稿先としてトップです。世界のSNS広告市場でもトップで、55%のシェアを持ちます。2位は20%以下で、大差でのトップです。
--米国で「MySpace Music」がスタートしましたが、次の計画は?
基本的なアイディアは、人々がオンラインでやっていることを1つの場所で提供しようというものです。現在われわれは、メール、音楽ダウンロード、好きなバンドに関する情報の入手、コンサートのチケット購入……とそれぞれ違うサイトを訪問しています。これを1つのアカウントでできないかと考えています。
あらゆる可能性から、既存の考え方やビジネスモデルを変えていきたいと思っています。MySpace MusicとHyperTargetingはその例ですが、まだ氷山の一角に過ぎません。
今後も、製品とユーザーエクスペリエンスをコンスタントに進化させていきます。現在、"Summer of Innovation"として、製品強化を定期的にロールアウトしています。これにより、ユーザーとの関係を強化し、ブランドパートナーに広告チャンスを提供します。
モバイルも取り組み分野の1つです。MySpaceは現在、モバイルにおけるSNSで世界1位です。SNSユーザーの約半分が携帯電話からアクセスした経験があり、そのうちの70%がMySpaceを訪問しています。モバイルでは、米Apple(iPhone)、カナダResearch In Motion(BlackBerry)など提携も進めており、投資を拡大しています。
--今後の戦略について教えてください。
将来については、シンプルなコンセプトを持っています。コンテンツを分解してユーザーが運転席に座ってナビゲーションする(エンパワーメント)というものです。企業は、インターネットは訪問するものではなく、モバイルであるということを理解する必要があります。ユーザーはカスタマイズできるユーザーエクスペリエンスを求めています。
具体的には、コンテンツの分解、ユーザーのエンパワーメント、開発サイクルの加速、アプリケーションとコンテンツにおけるサードパーティとの協業の4つを推進していきます。
狙いは、インターネットとのインタラクションを変えることです。インターネットは、個人が自分の嗜好、興味、エクスペリエンスを定義できるクリエイティブなプラットフォームです。そして、このエクスペリエンスをどこにでも持ち出すことができる、これを望んでいます。最後に、このエクスペリエンスを友人やコミュニティと共有することです。
--国際戦略については? Mixiのようなローカルプロバイダを買収する可能性は?
我々の国際展開モデルは、
- ブロードバンド普及率とオンライン広告市場の状態
- 単なる言語の翻訳ではなく文化のローカリゼーション
この2つが重要な要因となります。
成長にあたって、本当にローカルで関連性のあるサービスになっているかを常に配慮しています。製品とコンテンツに文化的なエクスペリエンスを構築することだと考えています。米国外のユーザーは、まず米国のフォーマットでMySpaceを体験し、われわれはこの人々のフィードバックをもとに市場ごとのエクスペリエンス開発を行っています。