テレビ局との連携で市場を回す

CEATEC JAPAN 2008の会場で、スカパーJSAT 取締役執行役員副社長スカパー事業部門長の仁藤雅夫氏に訪ねたところ「Web配信用のテレビコンテンツは、テレビで放送しているものと同じであっても、著作権は改めてWindows Media Center向けにクリアしている」という。この辺の手間や問題を抱える取り組みには、やはりマイクロソフトならではの力量が問われるといったところだろうか。いわば権利関係を持つという反対側の立場にいた笹本氏は、コンテンツライトについてどう捉えているのか。

笹本氏 「コンテンツを持っている側からすれば、それをどういう風に使ったら収入を最大化できるのかを考えるわけです。それが、今の技術の中で、できていない。オンラインで売っちゃえばと言っても、権利者側が、分からないし怖いみたいなところもまだまだあるんです。それから音楽の世界で言うと、ビデオクリップというのはプロモーションビデオであって、CDやDVDを売るためのものだった。

『CDが売れないのはデジタル化されたせいだ、だからプロモーションビデオは出さない』なんて変なスパイラルになっているけれど、本来の位置づけは変わらないはずです。人間の本音や環境にどう合わせていくかだと思っています。マイクロソフトとしては、私にコンテンツの権利問題をクリアしてくれというよりも、今までできてなかった業界との連携を、密にとってくれということなんだと思っています」

昨年、IT業界だけではなくテレビを始めとする他業界を超えてデジタルライフスタイルの充実した利用シーンを提案するWDLC(ウィンドウズ デジタルライフスタイルコンソーシアム)が設立されたが、参加企業一覧を見るとローソンや小学館、ジャパネットたかたなども入っている。業界を超えて企業や団体を動かすには、マイクロソフトが音頭とりをする意味は大きいだろう。

次に「モバイル市場」について尋ねた。