インフォテリア・オンラインは9日、ファイル転送キューイングサービス「OnTranq(オントランク)」の提供を開始。同日、発表会を行った。また北米向けの英語版も同日リリース、日米同時にサービスが開始された。

OnTranqは、メール・FTP・VPN等に代わってファイル転送をセキュアに行うための企業向けソリューション。機密性の高い個人情報や財務情報等を含むファイルや大容量データなど、企業間・システム間での情報受け渡しをサービス+専用ソフトウェアで提供する。

ニーズありきの企業向けサービス、海外へも提供開始

発表会では始めに同社代表取締役社長藤縄氏より、OnTranqのコンセプトとサービス戦略の発表が行われた。

インフォテリア・オンライン代表取締役社長 藤縄智春氏

OnTranqは、現在提供中の「OnSheet」に続いて同社がBtoBに投入する"Onシリーズ"の第2弾。今回はOnSheetのように新しいワークスタイルを提案するものではなく、"ファイル転送"というニーズありきのサービスとなる。

藤縄氏は、同サービス提供の市場背景として、情報漏洩問題や既存のデータ受け渡し手段が持つ課題を挙げた。企業の情報漏洩は、メール、電子媒体、紙などその経路はさまざまだが、「発信源はほとんど内部」(藤縄氏)で外的要因は少ないため、「自分たちでコントロールできる」(同)。

また、現在主に利用されているファイル受け渡し手段においては、メール添付では盗聴や誤送信の危険があるほか、FTP転送では利便性に欠ける、Webベースでのデータ受け渡しサービスではファイルが外部のサーバに置かれることなど、不安・不便・面倒などの課題がある。

OnTranqはこうした課題を払拭し、簡単・確実にファイル転送を行えるサービスとして「メールより安全に」「FTPより柔軟に」「VPNより簡単に」「システム連携は設定で」「なによりも確実に」をコンセプトに開発された。

同サービスは今年度中に大手企業10社への採用を目指し、中国を始め各国語版対応も継続的に進める。また、業務系システム等の「パッケージの"つなぎ"の部分としても市場がある」(同)と考え、データセンターやソフトウェアベンダとのアライアンスも進めることを、戦略として挙げた。