インターネット上の有害情報などを巡って、青少年への悪影響が大きいとして国の規制が強まろうとしている中、関連企業などが集まって「安心ネットづくり」促進協議会が設立されることが8日、決まった。来年1月には協議会を設立し、ネット利用者のリテラシー向上などを図る施策を、民間主導で実施していく考えだ。
今年6月、国会で「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が可決され、1年以内の施行が予定されている。
インターネットは現在、生活やビジネスなど、社会に欠かせないものに成長しており、特に国内では携帯電話でのネット利用が盛んに行われている。そうした中、出会い系サイトをはじめとする売春行為や自殺・いじめの誘発など、さまざまな問題が噴出し、青少年が犯罪に巻き込まれる例は増加傾向にある。それに対して国は、青少年のネット利用を制限する方向で対処を図ろうと規制法案を策定した。
それに対してネット関連企業や団体などからは、成立前から同法に対しての懸念が表明されており、いわゆる「青少年ネット規制法」として批判も寄せられてきた。マイクロソフトやヤフー、楽天などによる反対表明では、民間の自主的な取り組みを強化する方針を示していたほか、総務省は「安心ネットづくり」促進プログラムとして検討会を設置するなど、対応が進められていた。
この検討会のメンバーを中心として立ち上げられたのが今回の協議会だ。発起人はネット関連企業からはヤフー、ミクシィ、インターネットイニシアティブ、ディー・エヌ・エー、マイクロソフト、楽天。携帯事業者からはKDDI、ソフトバンクモバイル、NTTドコモらのトップに加え、日本PTA全国協議会や全国高等学校PTA連合会、三鷹市。教育機関からは慶応大学の村井純教授らも参加し、全19社・団体らが集った。世話人は慶応大学の中村伊知哉教授。