Web1.0と同様、アクセス数が重要に
先に挙げた第3の型である「テーマ型SNS」のなかで、もっとも大きな比率を占めているのはビジネス系のSNSである。主なユーザーは、比較的ハイエンドのビジネスマンである。これらの人々はインターネットに「出会い」を求めたりはしない。ネット世界で仕事上の人脈を開拓するには、コストが低すぎ、信用に値しないと考えているからである。これを裏付けているのが、近年指摘される、この種のSNSのユーザーレベルが急速に下がっていくこという事実だ。
中国でSNSがさほど成功していない原因としては、SNSが中国本土に源をもつものではないことが挙げられる。さらに、中国国内のネット社会の発展段階にも合わないこと、つまり、不適当な時期に無理やりに導入されたことが挙げられる。
ビジネスモデルから見れば、「Web1.0」型のウェブサイトの目的の全ては、アクセス数を伸ばすことにあったといえる。なぜなら、ウェブページの広告料金が、アクセス数を根拠に算定されるからである。
もちろん、今後の「Web2.0」型のビジネスモデルも、Web1.0を高度にコピーしたものになる可能性が高い。例えば、ウェブページの広告の場合は、全てのスポンサーの広告を、いかなるウェブページ上においても直接出すことができる。違うスポンサーの、異なる広告内容を、いちいちサイト上の別ページに出すなど考えなくてもいい。
SNSのビジネスモデルも、本質的には同じである。「ヒト」を掌握できているSNSなら、どこでもこうしたビジネスモデルを採用することができるからだ。一定のアクセス数を持つWeb1.0のポータルサイトが広告を出せるのと同じ理屈である。従って最も重要なのは、明快明晰なビジネスモデルが出現する前に、いかに「ヒト」を集められるか、ということになる。