ここで煮え切らないYahoo!の態度に憤りを隠さないのは同社の株主たちだ。Yahoo!は6月3日、再延期が決定された同社株主総会を8月1日に開催することを正式決定した。ここで現状のYahoo!役員全員の入れ替えを目指して委任状争奪戦を仕掛ける予定の投資家で同社株主のCarl Icahn氏は、すべての元凶がCEOのYang氏にあると考えているようだ。
「(委任状争奪戦の後に)Yahoo!の経営権を制御下に置くことに成功した暁には、同社トップのJerry Yang氏の排除に向かう」とのIcahn氏のコメントを、米Wall Street Journal紙を含む複数のメディアが報じている。それによれば、同氏はYang氏ならびに役員メンバーらを「不誠実」だとして名指しで非難、「私はこの国(アメリカ)のCEOならびに役員の多くをたいへん軽蔑しているが、Yang氏ならびに経営陣らの自己保身ぶりにはそれ以上にびっくりさせられる」と不快感を露わにする。
仮にIcahn氏がYahoo!の乗っ取りを成功させ、Yang氏の追い出しに成功したとして、Microsoftが実際にYahoo!買収に手を上げるかはわからない。Icahn氏の最終目標はYahoo!のMicrosoftへの売却だが、もしそれが実現できないとしても、すべての問題の根源はYang氏にあり、まずは同氏の排除が先決というのがIcahn氏の当面のスタンスだ。