アンケート自動集計、画面同期で業務効率化を支援
業務効率の向上という観点で特に目を引くのが、データ収集/進捗管理機能だ。同機能を利用すると、Adobe PDFフォームを活用して作成されたアンケートの結果を集計したり、回答者/未回答者の氏名や回答日時などをチェックしたりすることができる。
アドビ システムズ、マーケティング本部 ビジネスソリューション/Acrobatマーケティング部 フィールドマーケティング マネージャー 小圷義之氏 |
この機能を利用するうえで必要なことは、アンケート(PDFファイル)作成時にデータ格納先となる(ファイルサーバ内の)ディレクトリを指定するだけだ。格納ディレクトリを指定すると、そこに各人の回答内容がFDFファイル形式で保存される(1人1ファイルなので、回答者の数だけファイルが用意される)。結果を表示する際には、該当ディレクトリ内をAcrobat 9が検索しに行き、各ファイルを読み込んで集計する、という仕組みだ。
これまで、アンケートの実施に迫られた際には、専用のWebページを作成するか、もしくは電子メールやはがき等で回答を受け取り、それを手作業で集計するかのどちらかを選択するケースが一般的であった。しかし、「前者は専門スキルが必要であり、後者は非常に煩雑である」(アドビ システムズ、マーケティング本部 ビジネスソリューション/Acrobatマーケティング部 フィールドマーケティング マネージャー 小圷義之氏)ため、二の足を踏むケースが多かった。データ収集/進捗管理機能は、そうした現状を回避すべく搭載されたもので、「数十人程度の社内アンケートを実施する場合などには、以前とは比べ物にならないほどわずかな作業で終えることができる。もちろん、専門的な技術知識は不要」(小圷氏)という。
アドビ システムズ、マーケティング本部 ビジネスソリューション/Acrobatマーケティング部 フィールドマーケティング スペシャリスト 鈴木依子氏 |
なお、この集計作業は、(サーバではなく)閲覧者の端末上で行われるため、対応可能なアンケートの規模にはやはり限界がある。アドビ システムズ、マーケティング本部 ビジネスソリューション/Acrobatマーケティング部 フィールドマーケティング スペシャリスト 鈴木依子氏は、「ソフトウェア上の制限は500人までだが、パフォーマンス等を考慮すると、100~150人程度が限度」と補足した。
また、Acrobat 9ではコラボレーション機能も強化されている。具体的には、米Adobe Systemsにより提供されているacrobat.comのサービスにログインすることで、複数のユーザーの画面をリアルタイムに同期させることが可能になった。これにより、例えば、遠隔地で作業するメンバーと同じ画面を見ながらチャットでドキュメントの変更点/懸念点を確認する、といったことが行える。ただし、「同サービスは、まだβ版であり、現段階で同時に利用できるのは2人まで」(山本氏)という。
最上位エディション「Acrobat 9 Pro Extended」が追加
今回リリースされたAcrobat 9では、最上位エディションとして「Adobe Acrobat 9 Pro Extended」という製品が追加された。前述のビデオ変換機能は、同製品に固有のものとして提供されている。
また、Pro Extendedでは、「Adobe Presenter」と呼ばれるMicrosoft Office用のアドオンが提供されている。同アドオンを使用すると、Office文書にFlashムービーを追加したり、3Dモデルを追加したりすることが可能だ。「例えば、理解度チェッククイズのように、入力内容に応じて表示結果が変わるPowerPoint資料を作成して、配布することも簡単にできる」(小圷氏)という。
価格は下表のとおり。本日よりアドビストアで予約が受け付けられ、6月下旬に出荷が開始される。店頭販売は7月上旬から行われる予定。また、Adobe Acrobat 9 Proを同梱した「Acobe Creative Suite 3.3」のリリースも同時期に行われる。
製品名 |
通常版 |
アップグレード版 |
特別提供版 |
アカデミック版 |
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Acrobat 9 Pro Extended(Windows版) |
8万9565円 |
2万9400円 |
2万9400円 |
2万9400円 |
Acrobat 9 Pro(Windows版, Mac版) |
5万7540円 |
2万1735円 |
2万1735円 |
2万1735円 |
Acrobat 9 Standard(Windows版) |
3万6540円 |
1万3125円 |
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