富士通マイクロエレクトロニクスは、他の富士通関連企業と合同で富士通グループとしてブースを出展している。主な展示としては、デザインサービスの紹介のほか、ARM搭載SoC開発を容易にする開発環境の紹介や新製品となるDC/DCコンバータICの紹介など。
SoCの一発完動を支援するデザインサービス「Cedar」やプロトタイプモデルを設計フローに適用した「Cedar-ESL」などがデザインサービスとして紹介されている。Cedar-ESLは、エレクトロニックシステムレベル(ESL)技術とエミュレータを利用した検証技術を融合した設計フローを提供するサービス。ハードウェアの設計・検証とソフトウェアの設計・検証を同時に行うことで、設計期間の短縮を可能とする。
ベクター・ジャパンのブースでは、FlexRayおよびAUTOSARのソリューションを中心に紹介しているが、その他にはCANのオープンネットワーク「CANopen」に対応したツールの紹介などを行っており、実際にロボットアームの制御にCANを用いたデモなどを行っている。
CANopenネットワークの構築に同社では総合開発ツールとして「CANoe.CANopen」や「ProCANopen」などを提供している。これらのツールは、ネットワークの設計から仮想ECUや実ECUの通信評価、テスト実行およびテストレポートの作成、実ネットワークのコンフィギュレーションまで使用できるツールとなっている。実際のデモでは、CANopen対応スキャナで読み込んだバーコード情報に応じて、CANoe.CANopenがロボットアームの動作パターンを判断し、ロボットアームを制御するマイコンに制御指令を出すことで、ロボットアームの挙動を制御していた。
富士設備工業のブースは、テストツール、プロダクトライン開発支援、基板実装検査の3つに別れ、それぞれに応じたツールの紹介が行われていた。
テストツールでは、T-VECの検証からテストベクタまでを自動生成することが可能な自動テスト生成・実行・解析ツール、およびLDRAの静的解析、カバレッジ解析、テストドライバ生成機能を融合したテストツールが紹介されていた。LDRAのテストツールはWindows Embedded CE 6.0を用いたデモも行われていた。
また、プロダクトライン開発支援では、複雑なシステムを体系的に管理するプロダクトライン開発バライアビリティ管理ツール「Pure::variants」、およびドメイン・スペシフィック・モデリング環境を構築し、コードを自動生成する「MetaEdit+」の紹介が行われていた。
ソフィアシステムズは、マイクロソフトブースにてWindows Embedded CEを用いたハンドセットリファレンスデザイン「Sandgate3-P」やWindows Embedded CEの開発環境、Atomプロセッサを用いたMID/携帯情報端末向け開発プラットフォーム「PEARTREE」などの展示を行っていた。
Sandgateはシリーズ累計で1000件以上の開発案件を達成しており、同ブースでもその成果の1つである近鉄車両エンジニアリングの運転士支援システム「GPS Train Navi」の実機デモが行われていた。
GPS Train Naviは、GPS技術を利用して列車の位置特定を行い、その位置情報を基に、画面や音声、発光表示などで運転士に対し、例えば次の停車駅の連絡や何両目までが駅のホームに入ったかなど、さまざまな情報を運転士に知らせるシステム。路線データなどはSDカードで入れ替えを行うことができ、各運転士が発車前にそれぞれを登録して活用する。