前掲の通り、弊社にはPM(プロジェクトマネジメントまたは、プログラムマネジメント)のメソドロジを踏まえたフレームワークがあるが、その体系をコンサルタントの誰もが使いこなせるよう、リファレンスツールを提供している(図3)。
図3は、当該リファレンスツールの最上位画面だが、各管理タスクボックスをクリックするとその管理タスクの中で、実施すべきタスクのチャートや成果物のテンプレートやサンプルが、「計画」 - 「リリース」まで定義されている、システム構築フェーズごとに参照可能となっている。
たとえば、イメージとしては図4のようになる。
当社のノウハウによるところが多く、このような形で、ほんの一端しか、お見せできないが、このようなツールを会社として提供することにより、プロジェクト管理力の底上げをはかっている。
一例をあげてみよう。図5は「プロジェクト管理計画の作成」というタスクについて、ツール上で定義されている内容である。
このタスクのアウトプットとしては、「プロジェクト管理計画書」であるが、内容としては、スコープ管理計画書など、11項目の計画書を含むものとなっており、そのテンプレートやサンプルも参照可能となっている。
プロジェクトが失敗しないように、転ばぬ先の杖を準備することを常に心がけなければ、必ず失敗する……これは冒頭で述べた通りだが、このような管理手法やツールを活用することにより、ポテンヒットさえも防ぐことが可能である。読者の皆様におかれても、プロジェクト管理体系の整備と導入を、この機会にぜひ検討いただきたい。もちろん、私どもがコンサルティング会社として、支援可能であることも、申し添えさせていただく。
執筆者紹介
篠昌孝(SHINO Masataka)
日立コンサルティング ディレクター
国内最大手ファイナンシャル・グループにおいて多数のeコマース立ち上げを経験し、 2001年に外資系大手コンサルティングファームに入社、主にERPやSOA技術を駆使した、大規模SIプロジェクトを成功に導いた。2007年より現職。