2008年はモダンイメージのフォント2種をリリース - ダイナコムウェア
ダイナフォントを展開するダイナコムウェアブースでは、開発中のシネマフォント(仮称)、ロマン書体(仮称)を中心に据えた展示。フォントのイメージに合わせた、映画スクリーンのようなブースデザインが目を惹いていた。シネマフォントは映画の字幕をイメージしたデザインで、実際の映画作品で使われていたものをフォント化したもの。かな文字のデザイン違いで3種、最終的には6種のリリースを予定しているという。発売は2008年夏の見込み。
ロマン書体は3種類の展示で、大正、昭和初期のモダン調デザイン。映画などの影響により注目されているイメージだけに、リリースを待ち望むユーザーも多いのではないだろうか。こちらの発売予定は2008年中となっている。両フォントともTrueType版が先行して発売され、後日OpenType版も用意される予定という話だ。
プリンティング総合ソリューション企業へと成長 - モリサワ
コーポレートカラーのブルーでデザインされたモリサワのブース。常に人だかりが絶えず、同社の動向に注目するユーザーの多さが分かる |
モリサワブースでは、フォントの年間ライセンスシステム「MORISAWA PASSPORT」をはじめ、オンデマンド印刷機、自動組版システム、Webファイル管理システムなども大きく展示・紹介されていた。モリサワのフォントは"リュウミン"、"新ゴ"などのOpenTypeフォント22書体でAdobe Japan 1-6仕様への対応を果たし、最新のフォント環境を必要とするユーザーにも訴求力の高い展開となっている。
店頭で買ってきてPC1台にすぐインストールできるパッケージ販売型の「MORISAWA PASSPORT ONE」、同社の代表的フォント30種が1年間9,975円で使える学生専用の「Student Pack BASIC」と、モリサワフォントを使いたいユーザーの選択肢が増えたのも歓迎できる流れだ。また、『広辞苑』第六版の製作編集システムに採用されたブックエディタ「MC-B2 5」のデモなど、フォントだけでなく編集・制作・印刷すべての現場で同社の存在感をアピールする展示内容となっていた。
文字本来の役目を新しい視点でリデザイン - イワタ
新聞明朝体ベンダーとして有名なイワタは、2006年にリリースされ話題を呼んでいる「UDフォント」をメインに展示し、それらにまつわる同社の取り組みや採用実績などを紹介するブース構成となっていた。
「UDフォント」の成り立ちや採用事例を分かりやすく展示していた。学習指導要領の字形に準拠した「学参フォント」なども紹介 |
開発中のためはっきりとお見せできないが、「UDフォント」に待望の明朝体が登場する予定。ちなみに「UDフォント」はフォントとしては初めて2007年度日本新聞協会技術開発奨励賞を受賞した |
「UDフォント」のUDとは「ユニバーサルデザイン」のことで、年齢や性別、障害に関係なくあらゆる人が商品、サービス、住居、施設などを快適に利用できるよう配慮されたデザインを意味する。松下電器との共同開発で誕生した「UDフォント」は、リモコンのボタンの文字といった家電での使用だけでなく、静岡県浜松市のバス案内表示、ビデオゲーム内のフォントというように、利用されるすそ野が大きく広がっているという。視認性、判読性が最優先でデザインされた同フォントは、文字本来の役割が息を吹き返したかのようにむしろ堂々としている。当初は角ゴシック体のみだったが、現在は丸ゴシック体もリリースされ、明朝体も開発中とのこと。今後「UDフォント」を目にする機会がさらに増えるかもしれない。