一方、コンテンツマネジメントのプロジェクトの流れには、テクノロジとコンテンツがあり、この2つの流れは並行して進めることができるという。しかしながら、Boiko氏がより重要なものとして強調するのはコンテンツだ。

同氏は「テクノロジはソフトウェアと同じサイクルで進めていくことができる。しかし、コンテンツはプロジェクトが始まる前から戦略の作成が必要」と述べ、さらに「テクノロジのプロセスはいつか終わりがくる。テクノロジ側のプロジェクトは徐々に大きくなっていくのが特徴だ。一方、コンテンツは決して終わりがない。長期的にいつまでも続けられ、分量が増えていくのがコンテンツの特徴。コンテンツはコスト、かかる時間、リソース、会社にとっての価値もどんどん大きくななっていかなければならない」と、それぞれの特徴を付け加えた。

コンテンツマネジメントは"プロセス"

また、最後にBoiko氏は「テキストはもともとは話し言葉で伝えられていたものが、テクノロジによってその後、印刷、そして現在はHTMLへと進化した。一方、世界の名作と呼ばれるものは、どれだけ時代を経ても価値を保つ。情報は古ければ古いほど尊敬を集める存在になるかもしれない。技術がいつまでも進化を続けるのに対して、いったん価値のある情報を作れば永久的に価値をもつのが情報だ」と説明。さらに「システムは非常に品質の高い情報を適切な人に届けるための乗り物のようなもの。大事なのはコンテンツや情報。コンテンツにフォーカスを当てて、質の高いコンテンツを作ってほしい」と、コンテンツマネジメントを考える際の大前提がコンテンツであることを改めて強調して講演を終えた。

(セミナー協力: ソシオメディア)