新サービス「Salesforce to Salesforce」

イベントの後半パートでは各種デモと、新サービスである「Salesforce to Salesforce」(以下、SF to SF)が紹介された。SF to SFとは簡単にいえば、BtoBで情報を交換するためのコネクタのことだ。「Facebookが個人同士を結びつけるサービスだとすれば、SF to SFは企業同士を結びつけて情報を共有するサービスだ」とSalesforce.comでは説明する。EDIなど、この手のアイデアは昔からあるものの、XMLが発達して標準フォーマットが定義された現在でさえ、まだ比較的難易度の高い仕組みだ。通常であれば煩雑な手順が必要となるシステム同士の連携も「"Multi-Tenancy"で同一アーキテクチャで構成されるSF to SFなら容易だ」というのがSalesforce.comの主張だ。

会場で紹介されたデモは、企業(この場合はDell)のパートナーチャネルの管理者が取引先(EzeCastle)担当者に対して複数のフィールドを含むオブジェクト(発注書/手引書など)を送付し、情報を共有するというものだ。この情報は互いにリンクしており、EzeCastle側が情報をアップデートすれば、Dell側のデータベースもアップデートされ、その変更履歴が記録される。

同サービスはSalesforce.comのEnterprise Edition以上のユーザーであれば年間1200ドルで利用できる。これは「Invite」と呼ばれるアクションのトリガを引く側の料金設定で、Group EditionやProfessional Editionなどエントリーに近いエディションのユーザー企業であっても、オブジェクトの受け取りと情報のアップデートは無償で行える。

身近な例を考えてみても、BtoBが必要になるケースは多数ある

しかし、アーキテクチャの異なるシステム同士を連携させるには煩雑な手段が必要

Multi-Tenancyなら同一アーキテクチャでデータ連係も容易となる

Facebookがそうであるように、数クリック動作で簡単にシステム同士を連携

接続から共有、同期まで、一連の動作を簡単にするのが新サービス「SF to SF」

Force.comを介して取引先との受発注業務をSF to SFで処理する

共有やアップデート機能はすべてのエディションで利用可能。Invite機能は年間1200ドルでEnterprise Edition以上のユーザーに

Dellの事例。チャネルパートナーネットワークのマネージャのビューにアクセスしたところで、ConnectionsタブのところにSF to SFのオブジェクト一覧が表示される

オブジェクトを作成したところ。パートナー企業のEzeCastleの担当者に手引書を送付する

EzeCastleの担当者側からシステムにアクセスしたところ。Dellから送付されたオブジェクトが確認できる

オブジェクトのアップデート履歴や、相手との接続(リンク)状況が確認できる