片岡氏は今回のキャンペーンを総括し、「効果ははっきり言ってわからないというのが本音。月に来店する1億人のうち、どの程度がキャンペーンの効果によって来店したのかを判別することは難しい。しかし、ブログへのアクセス数は2週間で400万アクセスと、ブログ上のコミュニケーションとしては十分な効果があったと自負している」と語った。

日本マクドナルドのが時系列で「"ピタマックカー"ブログ」に掲載されたコンテンツ。日々の同キャンペーンの様子が伝えられた

また、「マスに載らない"バズ"については、Web上でどれだけ情報が流れているのかのクチコミ状況をリサーチすることである程度は把握できる。メディアに載った"バズ"は、どれだけマスコミに取り上げられたかを広告上の換算額で評価できる。さらにメディアからクチコミが広がっていく"バズ"については、店舗でのサンプル調達でわかる」と、今回のキャンペーンで用いたバズ(クチコミ)コミュニケーションによる広告効果の測定方法を紹介した。

一方、今回のキャンペーンの開始にあたり「食品を扱う企業として、商品をこんなふうにいじっていいのか?」というジレンマがあったという。さらに、ブログ上に投稿されるコメントやトラックバックに対しては、自社にとって望まない投稿や自社に対する否定的な反応が想定されるリスク管理については、スクリーニングをかけたうえで掲載を行うことで対処した。そして、その際に重要だったのは、顧客とネット上で直接コミュニケーションする場合の社内基準を定め、社内体制を明確にさせたことだったという。しかし、実際には予想したほどのネガティブな投稿はあまり見られず、原則すべての投稿が公開された。また、キャンペーンの告知方法について「そもそも広告であるキャンペーンを広告するのに予算はかけられなかった」と述べ、テレビスポット内でキャンペーンの告知を行った裏事情が明かされた。

また、片岡氏は今後のマーケティング展開について「10代に対する訴求効果が高い携帯電話を利用した新しいプロモーション展開を検討している。ただし、Webと携帯電話で同じことをやるのではなく、携帯ならではの手法を考え、双方が連動したものを行っていく」と語った。