日本マクドナルド マーケティング本部 マーケティングPR部 片岡英彦氏 |
8月4日に日本マクドナルドが発売した新商品「ピタマック」。同社は発売に先駆け、同年7月20日から8月3日にかけて、「ピタマックカー・ブログキャンペーン」というブログを活用した大規模なキャンペーンを行った。企業向けのブログシステム「MOVABLE TYPE」を展開するシックス・アパートが開催した「ビジネス・ブログセミナー」で、日本マクドナルド マーケティング本部マーケティングPR部の片岡英彦氏が同キャンペーンの実施策と舞台裏を語った。
マクドナルドが今回行ったキャンペーンは、"ピタマックCar"というケータリングカーが全国を巡るロードツアー。現地の店舗の協力のもと、新商品をキャンペーン車で運び、試食の様子を現地のマスコミに取材してもらうことでメディア内での露出を図るのが狙いだ。また、ツアーの様子を同社のブログ上で報告する"バズ(クチコミ)ネタ"による展開も同時に行った。ブログでは、撮影の裏話を伝えたり、旅先の特産品をピタマックに詰めて作ったた"ご当地ピタマック"の紹介なども行った。
マクドナルドは、全国に約800店舗を構え、月間1億人強、年間15億人弱が訪れる、誰もが知るファストフードの大型フランチャイズ。同社では、1971年の創業以来、テレビスポットCMを柱としたマーケティング戦略を展開してきた。しかし、昨今では特に"ジェネレーションY"と呼ばれる20代以下の層を中心に、"マス"を信頼しない傾向が広がり、テレビスポットと店頭コミュニケーションという従来の伝統的なマーケティング手法では通用しなくなってきたという。
これに対してマクドナルドでは、2006年前半以降から、タイアップやテレビ番組内の商品リプレースメントによる"バズ(クチコミ)"的広告展開を積極的に取り入れるようになってきたという。今回のキャンペーンは、キャンペーンカーを"プレスなど撮影用のパブリシティ素材"と位置づけ、メディア取材などによる"マス"に載る部分と、ブログによる"マス"に載らない部分の"バズネタ"を組み合わせて、新たなPRメカニズムを構築するという実験的な試みとして行われたのが特徴だ。