多様な趣味、嗜好別のコミュニティを形成

米国のベンチャーキャピタル(VC)、Redpoint Venturesは今年8月、「楽遊網」を運営する北京天成●境科技に数百万ドルの投資をおこない、中国でのバーチャルワールドゲーム市場が再び活性化するかと思われたが、今のところ目立った動きは出てきていない。

米国でのセカンドライフはますます活況の趣があるが、米国の文化で育まれた仮想世界がどこまで中国人の趣向に合うのか、現段階での即断は難しい。

ここで、北京創想無限科技が運営し、中国で一定の影響力を有する仮想空間「創想王国(novoking)」を例に、中国市場でバーチャルワールドゲームが直面している問題点について詳しく分析してみたい。

創想王国もまた自らを仮想空間ゲームと位置付けており、MMORPGではないとしている。仮想空間の運営における中国でも指折りの先行者として、その目標を「世界に通用する中国語の仮想世界」としている。

創想王国は3D技術を活用し、人と人とのふれあいやつながりを大切にする仮想社会を構築していこうとしている。多様な趣味、嗜好別のコミュニティを形成することで、仮想社会をより多様化したものにしようというのだ。真に迫る3D画面、個性的なアバター、リアルタイムの情報交換など、コミュニケーションの楽しさを体験してもらおうという切り口である。いまのところ、18~35歳の若年層をターゲットとしているが、とくに女性のユーザーを重視し、心ゆくまで遊べるデジタル娯楽空間とバーチャル交際プラットフォームの構築を図っている。