Olacleのメッセージ「アプリケーションをAIAで組み合わせて使えます」
そこでApps UnlimitedとAIAという2つの戦略に注目したい。従来であればこの言葉はOracle ApplicationとSOA/Oracle Fusion Middlewareということになる。Apps Unlimitedはサポートサービスであり、AIAはOFM上に構築された結合サービスであるわけだが、なぜわざわざ「Apps Unlimited」と「AIA」と名称を打ち出してきたかに注目する必要がある。
新しい名前が登場したといっても、SOAをベースとすることでサービスを連結してシステムを構築するというアプローチは一貫して変わっていない。OFMがこれまでも、そしてこれからも同社のSOAプラットフォームの基幹であり続けることにも変わりはない。
しかし、従来の言葉はとらえる範囲が広すぎて、直感的に理解しにくいところがあった。SOAはなんでも実現できる汎用的なプラットフォームであり、OFMはそれを実現するためのプラットフォームだ。何でもできるが、実際に何ができるのか、が理解しにくいところがあった。
そこでApps UnlimitedとAIAだ。この2つの戦略名が意味するところはとてもわかりやすい。Apps Unlimitedはつまりは「アプリケーション」であり、AIAは「アプリケーションを統合するもの」だ。つまり買収戦略で獲得したポートフォリオをAIAで組み合わせて使えますよ、という提案であって、OFMという提案よりもはるかに理解しやすい。
今後はApps Unlimited + AIAがひとつの柱へ
システムを最初からすべてOracleプロダクトで構築する場合にせよ、従来のシステムの一部をOracleソリューションで置き換えていく場合でも、基盤にはSOAがあって、そこに同社のプロダクトを統合してシステムを構築する流れをとっている。
このアプローチが、今後はひとつ視点を高くして、Apps Unlimitedで提供されるアプリケーションをAIAで組み合わせてシステムを構築する、という提案に変わっていくわけだ。やっていること自体はあまり変わらないわけだが、アプリケーションをジョイントする部分がAIAと明示されるようになったことで、従来よりも意味がはっきりしている。
現在はOFMをベースにしてシステムを構築することが多いようだが、すでにApps Unlimited + AIAでシステム提案をしており、今後は徐々にこの提案を中心にシステム構築を展開していきたいようだ。OOW 2007で再確認された同社の新戦略は、SOAをエンタープライズシステムに導入するというステップを、もっと上位の視点へと移したものになった。