現在、"格差社会"が叫ばれる日本。パク氏によると、この問題は技術革新とグローバル化、規制緩和がもたらす先進国の宿命だという。さらに「社会全体が高度化して底上げされ、求められる人材は、より高度な人材、あるいはフリーターのような働き方をする人に二極化する」と述べた。そのうえで、いくらでも代わりが存在する労働社会において求められるのは、新しい発想や革新をもたらす感性だとし、そのために必要なのが"ワークライフバランス"であると説明した。
しかし、情報量が無限大に増え続け、それに付随する仕事量が増加するなかで、個人に与えられている時間というのはあくまで一定だ。パク氏は「みなが同じ時間を持っているのに成果が違うのは、成功する人は時間の使い方に長けている」とし、"ワークライフバランス"に取り組むには、タイムマネージメントが重要なカギとなることを強調した。
その具体策として、時間管理の基本は第一に"計画"にあるという。そのためには、長期目標、月間、週間、1日の計画をそれぞれ設定し、長期から期限を逆算して"今やるべきこと"を見極めることが重要性だと述べた。また、日々の実践編として、毎朝出社したらまずは"to do list"を作成し、その日にやるべきことを把握することを提案。さらにこれに優先順位を付け、なるべくプライオリティの高いものから片付けていく方法を推奨した。「仕事の成果は、順番を変えるだけでも違ってくる。この方法で1日1時間ぐらいは時間ができるはず。その時間を仕事以外の側面に対して自己投資をして欲しい」と語った。
また、同じ時間でベストな結果を出すためのポイントは、自分の強みと弱みを把握し、得意な分野をより強化することにあるという。パク氏は「マイナスをゼロにするよるも、プラスをよりプラスにするほうがより効果的。弱点を克服するというのは重要だが、自分のウリを見極めるときに弱みを選ぶ必要はない」と述べた上、「今既に流行っていることを始めてもあまり意味がない。まだあまり誰もやっていない将来性のあるところを狙うべき」と、他者との差別化を図ることも重要だとした。さらに「仕事でのパフォーマンスを高めたければ、それ以外の側面を高める必要がある」とし、そのための実践法として"いつもと違うことをする"、"何かひとつ定期的にやり続けることを決めて実行する"という2点を挙げた。
最後に「今後も変わらないのは、"将来がより不確実であること"と"変化が起こり続けること"の2点。しかし"change"は自分を変え、向上させてくれる"chance"でもある。ワークライフバランスは、バランスというよりもハーモニー。それが達成できているかの判断基準は自分の価値観が基本。良い悪いというよりは自分がどうしたいかにある」と参加者に対してエールを送り、講演を締め括った。