住宅地なら閑静、商業地なら繁華街

前出の業者が売り出しているのは住宅地で、トラフィック(人の交通量)はほとんどゼロに近い場所です。

セカンドライフ内の住宅地ではトラフィックがないことも重要なポイントです。筆者は以前、格安ウィークリーマンションをレンタルし、隣の声が筒抜けだったことがありますが、セカンドライフでのプライバシーを守るには、周囲に人がいないことが重要になります。

自宅でのパーティー禁止、という条件のプライベートアイランドも見かけました。アバターがたくさん集まると、サーバの負荷が増えて、他の住人がサクサク動けなくなるからです。このほかにも、カーレースや忍者ごっこをするようなシムもありますが、そこでもやはりラグ(処理時間の遅れ)のない環境作りが重要になるであろうことは、想像に難くありません。

逆に、商業地では、トラフィックを稼ぐためにサクラを雇うなどあの手この手が使われています。または、セカンドライフへの店舗出店支援サービスを提供するコンサルタント会社が用意した土地にも、きっといろんな付加価値があるのでしょう。


ユーザーはバーチャル不動産をどう使う?

ホスティングサーバにはユーザーによって様々な使い方があるように、セカンドライフのサーバ(土地)の使い方も個人次第と筆者は感じてます。

筆者の場合、ホームページは10年以上前に始め、そこを通じて仕事をいただくこともあったり、友達もできたりしました。それとはひとあじ違った「ホームページ」をセカンドライフで実現できないかとは考えているのですが、作れそうで作れない現状に隔靴掻痒(かっかそうよう)の気分を抱いています。

また、セカンドライフには、その場その場で他のアバターとチャットして時を共有する楽しみがあります。が、それとは別にホームページのように、放置しておけば見てもらえる楽しみもあります。今、その主流がショップというお店屋さんごっこなのかもしれませんが、それとは別の個人ユーザーの利用方法のお手本が、そろそろ出てくるのではないかと、密かに期待しています。

これもショップ。駅のプラットフォームに売店を置き雑誌を陳列しているように見えますが、ゴキブリやブードゥー人形やブタのおまわりさん、といったアバター(の体)を売っています。少なくともクリエーターの方にとってセカンドライフは、Webページとは違った自己表現の場になっているようです