CD/DVDデュプリケータも参考展示

またエプソンは、IGAS2007の会場においてCD/DVDデュプリケータを参考展示した。

CD/DVDへのデータ書き込みおよびレーベル印刷を連続自動実行するのが特徴で、データ書き込みでは1時間に最大30枚(CDの場合)、レーベル印刷では最大45枚のCD/DVDへの書き込みを実現した。

操作に関しても、コンシューマ向けインクジェットプリンタによるCD/DVD印刷で培ったソフト技術を活用することで、簡便な環境を実現。さらに、開発者向けのシステムツールを別途提供することで、用途に応じたカスタマイズが可能になる。

価格や発売時期などは未定となっている。

こちらもIGAS 2007で参考展示されたCD/DVDデュプリケータ

ビジネス/産業用途で2010年に500億円

エプソンは昨年来、インクジェット技術のビジネス用途、産業分野への展開を積極的に開始している。

シャープの亀山第2工場では、液晶パネルに利用されるカラーフィルターにエプソンのインクジェット技術を採用。また、イタリアの捺染機メーカーのRobustelliは、インクジェット技術を活用した捺染機を開発。日本の染色メーカーにも同捺染機が導入されることになる。 さらに、武藤工業やローランドDGなどでは、屋外で掲示する看板用のプリントを可能にする製品を投入。サイン/グラフィック市場でも、エプソンのインクジェット技術が活用されているほか、ミニラボでの写真印刷機器、多層化基板の製造といった用途でも活用されている。

今回の試作機も、こうしたインクジェット技術のビジネス/産業分野への展開の一環といえるもの。

ピエゾ方式は、圧電(ピエゾ)素子を使用し、物理的な圧力を加え、インクを吐出するため、吐出できるインクや液体の選択肢が幅広いという特徴がある。また、エプソン独自のマイクロピエゾ方式は、ヘッドの小型化や、インクの吐出性能などに優れているという特徴があることから、ビジネス/産業分野での応用範囲が広いとされる。

エプソンでは、2010年には、こうしたビジネス/産業用途で、インクジェットプリンタ事業全体の約3割にあたる500億円の事業規模に拡大する計画を打ち出しているが、その戦略が少しずつ表面化してきたといえよう。