データベースの技術動向
データベースは、収集した膨大なデータをあらゆる目的を想定し整理することにより高速な検索が可能で、追加、修正、削除が容易に行えることを目的に考え出されました。
当初は「階層型データベース」(図1)と「ネットワーク型データベース」(図2)を中心に製品開発が進んでいました。
【図1】階層型データベースのイメージ |
【図2】ネットワーク型データベースのイメージ |
しかし、階層型データベースはデータをツリー構造で整理および格納するため、データにアクセスするためのルートは1通りしか存在しません。会社の組織図のような構造であり、役職を兼務する従業員がいるとその従業員のデータが複数存在することになり、データの冗長性が問題となりました。
一方、ネットワーク型データベースでは、複数の親データにアクセスすることができ、階層型で問題になっていたデータの冗長性を排除できます。しかし、データ構造に変更が発生する都度アプリケーションも変更を行わなければならなかった為、データの取扱いの容易性に関しては依然として大きな課題が残っていました。
そこで考え出されたのが、リレーショナル型データベース(以下、RDB)です(図3)。
【図3】リレーショナル型データベース(RDB)のイメージ |
RDBは、データを行と列から構成する表形式で表します。データ同士は複数の表と表との関係で関連付けられ、「SQL」と呼ばれる照会言語によりデータの整合性を保ちつつ容易に操作することができます。RDBではデータの独立性が高いという大きなメリットがあり、データ構造の変更によるアプリケーションへの影響は低く抑えられています。現在、市販されている商用データベースのほとんどはRDBとなっており、ここで述べる組み込みデータベースもRDBに当たります。