WebExの新たなサービスとして、SaaS型のノンリアルタイムのコラボレーション向けのグループウェア「WebExOne」も提供されており、KWEでは、複数社での協働プロジェクトの打ち合わせなどですでに利用を開始している。

WebExOneは掲示板機能や文書共有などを中核としたサービスだが、KWEでは特に文書共有機能を便利に活用しているという。文書をメールに添付してやりとりすることもできるが、メールの量が膨大になって管理が大変になる上、参加者が個々にファイルの管理をすることになるために無駄な手間がかかるし、ローカルでそれぞれがファイルを変更することによるバージョン管理の問題も発生する。文書共有機能を利用すれば、全員が1つのファイルにアクセスできるため、変更も容易でバージョンの混在の心配もない。メールや掲示板を利用してコミュニケーションしつつ、共有された文書に基づいて話を進める、といった運用が可能になる。

WebExOneではデータベース機能も提供されており、ユーザーがフォームを独自に定義して簡単なデータベースアプリケーションを作成し、参加者間で共有することもできる。作業の進捗表やチェックリストなど、参加者が必要とする機能をその場で用意できる柔軟性があることで、活用可能性が大きく広がることになる。

中田氏によると、WebExOneを一般の仕事に活用していくのはまだ簡単ではないものの、使途を絞って特定目的のために活用する場合には、簡単に使い始められ、効果も得られやすいという。KWEでの利用例では、共同プロジェクトの参加企業間での打ち合わせのために利用しているが、このように明確な目的のためのツールとして利用するならユーザーがツールをどう活用したらよいのかを悩むこともないわけだ。

現実味を帯びてきたコラボレーションツール

Webを利用したリアルタイムコミュニケーション/コラボレーションのシステムは、eラーニングなどでも利用されており、アイデアとしてはすでに定着した感がある。システムの目新しさは薄れているが、ワールドワイドでのコミュニケーションを日常的に行う必要のあるグローバル企業にとっては、業務のための必須のツールとして活用の場が拡がってきているようだ。ややアイデア先行の感があり、具体的な活用シーンは限られると思われていた時期もあったが、ユーザーの利用実態が追いついてきて、ようやく日常的に活用できる段階に達したように思われる。