美しく実用性の高いAIRアプリの数々
その後は今回のイベントの目玉である、日本の開発者たちによるAIRアプリケーションのデモバトルだ。AIRは、アプリケーション開発者のみならず、デザイナーやクリエイターといった層からも非常に大きな注目を集めている。今回発表されたデモンストレーションも、AIR自体のパワーと支持層の幅広さを反映して、非常にバラエティ豊かで、かつクオリティの高いものばかりであった。
以下、それぞれのデモの様子を写真を基に簡単に紹介しよう。
FLO:Q + AIR(ソニー)
Flash技術を用いたブログパーツサービスFLO:QをAIRに対応させたもの。オフライン動作やWebブラウザ上のFLO:Qとのシームレスな統合、デジカメなどの外部機器との連携を実現した |
Metabo Dev Night(セカンドファクトリー)
Coraleef(Seasarファウンデーション/JJUG/ISID ひがやすを氏)
Seasar開発者として著名なひがやすを氏による、DelphiアプリケーションからAIR/Flexへのコンバートツール「Coraleef」のデモ。数十の入力フォームを持つDelphiアプリも、ご覧のとおりAIRアプリケーションに早変わり |
AIR デスクトップウィジェット/ブックマークアプリケーション(SiTE4D)
デスクトップに彩りを添え、かつ実用的な各種ウィジェット(SiTE4Dのラボからダウンロード可能)と、その仕組みを応用して作られたビジネスダッシュボード |
Webページの一部を切り取って保存しておくというコンセプトの、ブックマークアプリケーション |
AIR ブラウザコンポーネントの応用例(バスキュール)
AIR SPACE(ティーケーラボ)
「AIR SPACE」は、LCDS(LiveCycle Data Service)を利用してプッシュ型メディアを実現。サーバサイドからクライアントに向けたテキストや動画の配信を行うことが可能だ。動画配信にはストリーミング再生を用いず、通知を受けたクライアントが能動的にダウンロードする、という手法を用いている。 |
デザイナー・クリエイター・開発者をAIRが繋ぐ
デモバトルの後、アドビシステムズの代表者とデモバトル参加者達によるパネルディスカッションが行われ、自由闊達な意見が交わされた。そこで交わされた意見や、その後の立食パーティの雰囲気からしても、やはり感じるのはデザイナー・クリエイター・開発者がAIRという技術を中心にして繋がりつつあるという事実だ。
現在のところ、UIの美しさや技術的な側面から語られることがまだまだ多いAIRではあるが、AIRがもたらそうとしている革新性の本質は、こうした異なる文化同士の「マッシュアップ」が引き起こす、新たなコンピューティング体験なのではないだろうか。
こういった雰囲気は、やはり実際にイベントに参加してみないと味わえないものだ。すでに11月2日~3日に開催が予定されている「Adobe MAX Japan 2007」をはじめとし、さまざまなセミナーやイベントが開催されると予想されるので、要注目だ。