会場にはベイエリアの企業関係者がたくさん。写真はMoosePoint TechnologiesのCEO Tim McGee氏(左)

こうした3Dマップにいろいろなデータを組み合わせたり、そこから新しいデータを作り出していくマッシュアップ技術も忘れてはならない。3D向けツールとして、2面体の写真を組み立てるクェーカー(Quakr)Planet9、YahooのPipesなどが登場してきたのは記憶に新しい。

Googleはオンラインのマップ開発コードを公開しており、Google Earth/Mapsの取締役のJohn Hankeがここで「Mapplets」を発表した。これはmaps.google.comで利用できる。天候、予約その他、地図上の有益情報を組み合わせて利用するには、プレビュー画面でチェックできる。

会場では多くのスタートアップ企業が、Googleの公開コードやオープンソースを使った自社製品を発表していた。企業情報で地図をユーザインタフェースに使用したり、マップ上のコミュニティにユーザー情報やナレッジを集めたもの、地図とブログが一緒になった仕組みなどいろいろだ。しかし、会場にいた起業家やデペロッパたちは「マップでどう利益を上げるかが一番の課題」とこぼしていた。

サンフランシスコに本社をもつビジュアルデザイン会社のStamen Design(スタメンデザイン)は、Digg.comのサイトをビジュアライゼーションした実績をもつため、小さい会社だがこちらのデベロッパにはよく知られている。Stamenは不動産サイトからのデータを使い、特定の家が10年の間にいつ建てられ、再建させられたか、フラッシュを使って異なった色で地図上に工事時間のデータを示すマッシュアップ製品をWhere2.0で発表した。

GPS関連機器ではナビでインターネットが使えるダッシュ(dash)、ジャーミン(Garmin)などが会場で講演。ダッシュは車向けカーナビゲーションシステムと、Yahoo!Localに接続できるネットワーク端末。GeoRSSやKMLに対応している。また、アフロディテ・プロジェクトは、GPSで居場所を示す装置と非常警報器を靴やサンダルの踵に埋め込んだ製品を発表。もしそのサンダルを履いていた人が攻撃を受けた場合、靴から警戒音と無線などの信号が出て通報されるという仕組み。携帯電話に非常信号を出すこともできる。

GPSの最大の欠点は、屋内での情報が得られないことだが、無線LANで位置情報を得るLokiというサービスや、Bluetoothを使ったネットワークサービスなど室内情報も充実し、"Where" - つまり「ここはどこ?」という疑問詞はこうした技術によってそのうち消えていきそうだ。「プライバシーはどうなるんだろう」という懸念まで感じさせる、有意義な今年のWhere2.0であった。

Quakrを使ったデモ。会場ではこのようにマッピングとマッシュアップを組み合わせた新サービスがいくつも紹介されていた

やはり一番人気はGoogleのブースでした