オフラインで編集可能、でも常時接続なら……

オフラインで下書きの記事を書き溜め、オンラインにしたときに一気に記事を投稿することもできる。この感覚は……「オフ読み」のUP版だ。

若い読者のために説明しておくと、オフ読みとはその時に読みたいページを複数のウインドウを開いて表示させ、接続を切ってから開いたページをゆっくり読むという、ダイアルアップ接続時代に活用された電話料金節約の小技のこと。ヒマに任せてネットサーフィン(死語)なんて贅沢な話だったのだ。

そんな年寄りの話は置いても、Windows Live Writerの機能は、常時接続のブロードバンドよりもダイアルアップ接続に最適化されているように感じられる。Windows Live Writerの母国・米国でもブロードバンドは普及しているが、ケーブルテレビが中心で接続速度は256kbps~1Mbpsだという。写真を何枚か載せようと思ったら、意外と時間がかかって大変なのではないだろうか。ローカルでざっと記事を作ってしまってから、一気に転送した方が手軽だという考えもあるのかもしれない。

しかし、40Mbpsが珍しくもない日本ではどうだろうか。あえて常時接続環境でWindows Live Writerを使うなら、以下のような利点が考えられる。

  1. 記事のバックアップ 数あるブログサービスの中、自分が投稿した記事のバックアップを取れるところは意外と少なく、利用中のサービスを退会すると、多くの場合、記事は消えてしまう。ローカルで記事を作成しておけば、記事本文を手元に残すことができる。

  2. 複数のブログサイトを一括管理 Live Writerには投稿先として複数のブログを登録できる。「アカウントの追加」からブログサイトを登録し、メニューバーの「ブログ」で投稿先を切り替える。作業エリアのテンプレートも選択したブログサイトに合わせて切り替わる。複数のブログに全てWindows Live Writerから投稿でき、書いた内容も一括管理できる。

  3. 接続しにくい場合に せっかく書いたのにサーバが混雑して投稿できないという場合に(最近は少なくなったようだが)、ローカルで書いて保存し、あとでWindows Live Writerから投稿すれば、書いた記事が応答エラーで消えてしまうこともない。

  4. モバイルで活用 常時接続が当然の現在も、モバイルノートからのネット接続はダイヤルアップの使い勝手に近い。移動中に記事を書き、接続できる環境になったら投稿するというのが、Windows Live Writerの模範的使い方だろう。

実際に使用してみると、オンライン状態で利用していても、記事編集と投稿に1つ敷居があることが感じられる。曖昧になってしまった"表に出す"ことの境界を改めて意識することで、記事の質が少し向上するかもしれない。