動作速度は快適アップグレードの価値も充分
さて、ざっと機能を紹介してきた「Photoshop CS3 Extended」だが、他にもアニメーションや動画に関する機能が強化されているなど、魅力的な点も多い。しかしなんと言っても気になるのがその動作速度だ。機能が増えればそれだけアプリケーション自体が重くなると一般的には思いがちだが、今回のバージョンは体感的にはCS2よりもきびきびと動くという印象がある。
ちなみに筆者のマシンはPowerMac G5 2.5GHz Dualに4GBのRAMという環境だが、ストレスを感じることなく作業を進められる。また、初代MacBook 1.83GHz/2GB RAMという低スペックのマシンでも動作は快適だ。しかも、パレットを折り畳んでおけるので、ノートタイプのような小さな画面でも快適に操作することができるのは嬉しい。
では、StandardとExtendedのどちらを選択するのがベストといえるだろうか? 実際、3Dやビデオ、計測に関する機能に若干の差異があるだけで(図16)、デザインをメインに使用しているならStandardでもよいと思うかもしれない。しかし、私はあえてExtendedを選ぶ。やはり、機能はフルに搭載されていた方が何かと便利だからだ。
ちなみに「Creative Suite」を購入した場合、「Design Standard」以外はExtendedがセットされている。またAdobe Storeのみでの販売になるが、「Design Standard」を買ってからでも、差額を払えば他の「Creative Suite」のパッケージに乗り換えることも可能なプログラムが用意される。従って、最初は「Design Standard」からスタートしても、最終的に必要なCSパッケージに変更することもできるのである。Photoshopとともに、ソフトウェアの販売方法もより柔軟になったようだ。
筆者個人として正直に言うと、CSからCS2のバージョンアップの時はアップグレードに多少抵抗感があった。しかし、今回のバージョンに関して言えばすぐにでもアップグレードしたいと思わせる部分が多い。それは新機能も含め、使い勝手などトータルな意味で完成度が高まっているからだ。
Adobe Phothoshop CS3日本語版(Windows 版 / Mac版)の価格は、通常版100,000円、アップグレード版26,000円(Adobe Photoshop 7.0 / CS / CS2の正規登録ユーザ)、特別提供版85,000円(Adobe Photoshop Elementsのパッケージ版の正規登録ユーザ)。Adobe Phothoshop CS3Extended日本語版(Windows 版 / Mac版)の価格は、通常版140,800円、アップグレード版48,000円(Adobe Photoshop 7.0 / CS / CS2の正規登録ユーザ)、特別提供版127,000円(Adobe Photoshop Elementsのパッケージ版の正規登録ユーザ)、アアカデミック版41,800円。
Windows版の対応システムは、インテル Pentium 4、インテル Centrino、インテル Xeonまたはインテル Core Duoクラスのプロセッサを搭載したパソコン。OSは、Windows XP (Service Pack 2) 日本語版または Windows Vista Home Premium、Business、Ultimate 日本語版。Mac版の対応システムは、PowerPC G4、G5、またはインテルプロセッサを搭載したMac。OSは、Mac OS X v.10.4.8 日本語版。