今年のメインスピーカーはRich Green氏。2時間のセッションを進行させた

続いてメインスピーカー - Sun MicrosystemsのExective Vice PresidentであるRich Green氏が壇上に上がった。同氏はいくつかのキーワードを並べながら、Javaの現状と今後の展開について紹介していく。

彼はまず「コミュニティの形成は人間の基本的な性質である」として、Java技術においてもコミュニティが重要な役割を担っていることを強調した。続いて「The Network is an unstoppable social force」というキーワードを掲げ、それに伴ってJavaテクノロジもかつてないほどの広がりを見せていると指摘。誕生から12年が経過しながら依然としてJavaが成長しつづけていることを確認した。

Green氏は、さまざまな分野への広がりを見せているJavaのキーテクノロジをいくつか並べながら、それらの技術と深い関わりを持つゲストを紹介していった。まず最初に紹介されたのが、EricssonのMarin Harriman氏(VP of marketing and business development)だ。同社はオープンソースのアプリケーションサーバ「Sun Java System Communications Application Server」の開発に多大な貢献をしてきたという。同製品はGlassFishコミュニティから誕生したマルチメディア情報管理システムを含むアプリケーションサーバで、JavaOneが開催された同日に正式リリースが発表されている。

Harriman氏とGreen氏が会場で「Sun Java System Communications Application Server」をアナウンスした

続いてGreen氏はリアルタイムJavaを取り上げ、JSR-001が高いレベルで実用化されていることを指摘、その具体的な事例を持つNASDAQのCIOであるAnna Ewing氏を壇上に呼んだ。同氏によれば、NASDAQの電子取り引きにおいては毎秒150,378トランザクションを処理しており、これをリアルタイムJavaを用いて実現しているという。同社のチームではすでに次期バージョンのリアルタイムJavaのプロトタイプ開発に着手している。

Nasdaq CIOのEwing氏。同社はリアルタイムJavaで電子取引のトランザクションを処理している

Javaはディジタルエンタテインメントの分野にも進出している。たとえばPlayStation 3やBlu-rayデバイス、セットトップボックスなどにもJava技術が利用されているという。本日3人目のゲストとして紹介されたのが、SonyのTom Hamillton氏(Vice Precident of production operations digital authoring center)だ。同氏はBlu-rayディスクのインタラクティブなデモを見せ、それがJava技術によって実現されていると紹介した。今回デモが行われた製品は近いうちに市場に登場するとのことである。

Hamillton氏が行ったデモは、近いうちに製品として登場するという