体験型マーケティングの具体例としては、Nissan North AmericaがWindows Media Centerを使ってNational Geographicのプログラム内で提供したオンデマンド広告を紹介した。また、DisneyがWindows VistaのGadgetを用いて展開している香港ディズニーランドのプロモーションの事例を披露した。

インタラクティブにビデオを選択できるNissanのビデオ広告

GadgetやRSSも強力なマーケティングツールだ

最後に、英BBCがRadio 1におけるSilverlightを使ったコミュニティサービスを説明した。公共放送のBBCは広告収入を得る必要はない。基調講演の狙いから外れるようなゲストだが、放送を維持していくには聴取者の支持を取り付ける必要がある。特に18~34歳のラジオ離れが進む層を惹きつけ、Radio 1ブランドをアピールしなければならないという点では、広告収入を目的に体験型マーケティングに取り組む企業と同じだという。

Radio 1のプログラムは、オーディオ、ビデオ、インスタントメッセンジャーなどを融合したサービスをSilverlightで実現していた。たとえばメンバーがフェスティバルに参加して帰宅すると、ステージバッジが届けられる。ステージバッジについて、BBCのエグゼクティブプロデューサであるJason DaPonte氏は「ゲームをクリアした時にもらえるバッジやトロフィーのようなもの」と説明していた。バッジからフェスティバルに出演していたアーティストの情報やデータにアクセスできるほか、同じようにフェスティバルでの体験を誰かと語り合いたいメンバーと知り合うチャンスにもなる。そして「またBBCのイベントに参加したい」という思いを引き出し、BBCブランドの周囲にユーザーを留めておくのが狙いだ。

フェスティバル参加者に届けられるBBC Radio 1のステージバッジ

ビデオコンテンツを同時に見ながらメンバー同士でチャット