18~34歳の層に、どのように製品を売り込むか? エンターテインメント&デバイス部門担当プレジデントのRobbie Bach氏は「体験型マーケティング(Experiential Marketing)が必要」と指摘した。

Bach氏によると、マーケティングに携わる企業の多くが18~34歳の層に的確にリーチする方法に頭を悩ませているという。このグループはネットを使いながら成長してきたため、従来の方法では効果が薄い。ブロードバンド時代に即したマーケティング方法を持って攻略する必要がある。そこで昨今のネットの特徴が「パーソナル」「インタラクティブ」、そして「ソーシャル」であると考えれば、マーケティング手法は"体験型"になるという。ターゲットにエンターテインメントやサービスを楽しんでもらい、その過程の中で、製品やブランドをアピールするのが有効なのだ。

エンターテインメント&デバイス部門担当プレジデントのRobbie Bach氏

ユーザーを引きつけ、楽しんでもらい、定着させる

一例として、ハンバーガー・チェーンのBurger KingがXbox Live Arcade向けに作成したミニゲームが紹介された。Burger Kingは、王様のキャラクターがスポーツなどに挑戦するテレビCMが成功した。さらに王様の挑戦を体験できるゲームを用意することで、王様キャラクターとBurger Kingのブランドが消費者の印象により強く残る。王様を使ったマーケティングには、ハンバーガーがほとんど登場しない。それにも関わらず、好感度がアップしたBurger Kingは売上げが急増し、また相乗効果でゲームも6週間で320万本を売り上げたという。

Bach氏は、Xbox 360向けゲームで売上げトップの「Gears of War」についても、「ゲームコミュニティを上手く盛り上げられたから、400万本以上の売上を達成できた」と指摘した。「Gears of War」では、「ティアーズ・フォー・フィアーズ」などの曲をフィーチャーした宣伝ビデオをXbox Liveで公開し、ダウンロードを可能にした。すると、すぐにBGMを「ステイン・アライブ」に差し替えたサタデー・ナイト・フィーバー風のマッシュアップがネットに現れたという。そのようなジョークがネットで話題になるに従って、本家の「Gears of War」の売上げも伸びた。

ネット上で、豊かなメディア機能やコミュニケーションなどの体験をユーザーにもたらすのはWebアプリケーションの役割だ。だから、「開発の世界を変えているのと同じテクノロジが、マーケティングの世界も変えている」とBach氏。MIX07では、WebデザイナーとWeb開発者のシームレスな連携が大きなテーマの1つとなっていたが、そこにマーケティング担当者の意向も反映できる仕組みも求められているのだ。