いま、将来の立体テレビ放送、次世代インターネットにおける画像応用、立体映画などに欠かせない立体画像処理技術の分野で、中国企業が独自技術開発に大量の資金を投入している。本レポートでは、中国企業が「世界之最(世界No.1)」または「中国之最」として誇るいくつかの開発成果を紹介しながら、中国における立体画像処理技術の現状と将来を概観する。
欧亜宝龍国際科技(北京)有限公司(Bolod Technologies、以下「Bolod」と略)は、今年2月、中国のシリコンパレーといわれる北京中関村の中心部にある「e世界数碼広場(e-World Electronic Plaza)に、世界最大級の裸眼立体ディスプレイ(Autostereoscopic Display)「Bolod N61」を設置した。
Bolodは裸眼立体ディスプレイ分野では、世界でも最先端の技術を持つと胸を張る。これまでに6サイズ(17から61インチまで)の裸眼立体ディスプレイをリリース、広告メディア、教育研修、科学研究など多くの分野で活用されている。Bolodは裸眼立体ディスプレイを応用し、香港で地下鉄、ショッピングセンター、映画館、娯楽施設といった公共スペースをカバーする新型メディアネットワークを展開しているところだ。Bolodはe-World Electronic PlazaでのBolod N61の設置を皮切りに、北京でも立体広告のネットワークを構築していくとしている。
Bolod N61最大の特徴として、Bolodは次の二点を挙げている。一つは、コア技術の合理化により、立体ディスプレイを見る際に受けやすい距離、角度の制限を克服したこと。もう一つは、インパクトのあるステレオ効果と高い解像度をもつ点だ。