(6)オフィスは持たない。移動もしない

上述したように、当社は創業当時からフルリモートで仕事をしています。それゆえ、オフィスはありません。厳密に言うと郵送物を受け取るための社長専用オフィスが存在するだけです。起業する際に「オフィスがないと信用に欠けるのでは」などと思いましたが、実際にそのようなことはなく、営業時はお客様先に訪問していました。

お客様によっては、オフィスを見てみたいというケースもあるので、社長オフィスには応接スペースがありますが、社員が仕事をするオフィスを構えるのと比べたらかなり安価に済んでいると思っています。ただ、オフィスの固定電話がないと、筆者が住宅ローンを組む際に問題となったので、やむを得ず秘書サービスを契約し、外部からの電話はその固定電話で受けるようにしました。

そもそも、オフィスに固定電話を持っても営業電話しかなく、お客様からのお問い合わせはWebサイトのお問い合わせフォームで十分だったので、固定電話はビジネス上不要です。どうしても電話で話をしたいお客様はお問い合わせフォームに「電話をください」と書きますしね。

それにしても、住宅ローンの審査で会社の電話番号に固定電話番号を書いてくださいというのはどれだけ時代遅れな銀行なんだろうと思います。固定電話を持たなくても収益が高い会社はいくらでもあるというのに。

(7)営業をしなくて済むモデルにする

営業をしないと売り上げは上がらないことが一般的には多いです。営業は受注前の行動なので、その活動自体で売り上げは上がりません。B2CのWebサービスやスマホアプリサービスのようなビジネスは営業をしなくても売り上げが上がるのですが、そうでない場合は、やはり営業活動が必要になります。

しかし、この営業活動をしなければ、すべてを生産的な活動にあてられるので、利益が出やすくなります。ここではB2Bのビジネスで何らかのアウトソーシングを行う場合で、営業をしなくて済む方法について解説します。

アウトソーシングのビジネスは一人会社でも、大きな投資をしなくても体一つで仕事を請け負えるので、中高年の企業に向いているビジネスです。また、例えば、サラリーマン時代に営業をしていたとして、その営業のアウトソーシングとして請け負うことができるので、サラリーマン時代の経験をそのまま活用できるので、お勧めです。

しかし、このアウトソーシングですが、契約が続かないことが多いです。契約が続かないと、またお客様を探すために営業をしなければいけなくなり、この空走期間が利益を奪っていきます。そこで、契約がなるべく途切れることなく、長く続き、営業をしなくても済む方法を紹介します。13年前に国内初のマーケティングアウトソーシング専門企業として起業をし、常時10社以上と契約をし、平均契約年数が10年を超えた方法になります。

自社を中心としたPDCAを回すモデルにする

さまざまなアウトソーシングサービスがありますが、通常は3カ月から半年くらいの継続が多く、2年を超えるとかなり長期になるような傾向があります。かなり長期になるようなアウトソーシングサービスの傾向は以下だと考えています。

(A)独自のアプリケーションなどと絡めた独自性の高いアウトソーシングサービス (B)圧倒的な価格競争力と他社にはない採用メリットが継続していること (C)自社を中心としたPDCAが回り続けていること

Aは実現できればかなり契約が続くはずです。自社で何らかのアプリケーションをリリースし、それを生かしたアウトソーシングサービスを展開するモデルです。ただ、そのアプリケーションを作るのがなかなか難しいですよね。

一方、Bは中高年の起業モデルでも実現しやすいです。Bについては第2回で触れていますので、興味がある方はご覧ください。そして、Cこそが今回紹介する最終奥義的な内容になります。

PDCAはご存じと思いますが、計画して、実行して、その結果をチェックして、修正プランを実行するようなサイクルを指しています。長続きしないアウトソーシングサービスはPDCAのDだけを実施するケースです。お客様側で、計画して、その実行をアウトソーシングして、お客様がその成果を確認して、修正案をお客様が検討して、場合によっては契約終了になったりするパターンです。

こうしたPDCAすべてをアウトソーサー側が実行して、お客様が確認と判断をするパターンの場合、お客様の負担は軽減され、精度が上がりやすく、お客様からの信頼が上がりやすいので、契約が続きやすいです。しかし、PDCAをSWOTや3C分析や4C分析などのマーケティングツールやKGI、KPI、KSFなどを使用してそのプロジェクトを定性面、定量面で測定して、客観的に判断する材料を用意することがとても重要です。

いかがでしょうか?企業や副業の設計にご参考に案れば幸いです。

なお、質問や書いてほしいもののリクエストがあればTwitterで「#100歳まで現役労働」で意見をください。前回に意見をいただいた皆様、ありがとうございました。今後の参考にさせていただきます。また、私の活動やビジネスはTwitterアカウント@_yoshimasaでほぼ確認できます。興味がある方はフォローしてください。

今日の私の話は以上です。何かの参考になれば幸いです。それではこの辺で。