マウスコンピューターが販売する「G-Tune H5-LC」は、15.6インチ液晶を搭載した薄型ボディにIntel Core i9-12900HとGeForce RTX 3070 Tiを搭載し、さらに専用の水冷ボックスをセットにしたゲーミングノートPCだ。
設置の簡単さや設置自由度において省スペースなノート型はデスクトップ型に圧倒的に勝っているが、ボディ容積が小さいため性能が犠牲になりやすく、さらに発熱の問題やファンノイズの増大といったデメリットもある。G-Tune H5-LCは設置スペースという問題をセパレート式水冷ボックスで解決しつつ、ノートPC形態では難しい性能と冷却力、さらに静音性を全部確保しようという意欲的な製品である。
しかし実際検証してみないことには本当にG-Tune H5-LCの製品コンセプトが正しいかどうかは確認できない。既に外観や設置部分に関してはこちらの記事で紹介しているので、早速G-Tune H5-LCのパフォーマンスを検証することにしたい。
基本性能をチェック
性能検証にあたり、今回は特に比較対象を設けていない。そのかわりG-Tune H5-LCを空冷状態で利用した時と、水冷ボックスを接続した状態でファン回転数を40%および60%設定にした時の性能を比較する。空冷と水冷で性能がどの程度上がる(下がる)かはもちろんだが、水冷ボックスのファン回転数と性能に関連があるかにも注目しよう。
まずは基本的なベンチマークで検証を行う。最初に試すのは定番「CINEBENCH R23」だ。デフォルトの10分回した後にスコアを算出するモードで計測するので、冷却力の高さとスコアが連動しやすい。
空冷時よりも水冷時の方がマルチスレッドのスコアが伸びている。水冷ボックスの効果はこのレベルのベンチマークでも実感できるようだ。シングルスレッド性能は水冷60%設定の方がわずかに高く、水冷40%設定が空冷よりも7ポイント低いが、この程度は揺れの範囲と考えられる。
続いてはグラフィックパフォーマンスを「3DMark」で検証する。ここでは“Fire Strike”“Time Spy”の2本を使用した。
どちらのテストでも空冷時よりも水冷時の方がスコアが伸びているが、水冷ボックスのファン回転数設定とスコアは連動しない。強いていえば40%より60%設定の方が高いが、誤差と割り切っても問題ないほど小さい。
続いてはPCの総合ベンチである「PCMark 10」を使ってみる。今回はStandard Testを実施した。
空冷設定と水冷設定の差が小さいどころか、微妙に空冷の方が高い部分まである。ただこの差も試行のブレ幅の範囲内といえる。3DMarkほどの差が付いていないのは、全般に負荷の軽いテストで構成されているせいだと考えられる。つまりライトな作業中心であれば空冷でも差は出にくいといえる。