クリエイター向けだからこそ必須の、高色域パネルや高速インタフェース
ここまでハードウェアスペックについて紹介してきたが、ここからはディスプレイやインタフェースに注目していきたい。特にディスプレイはクリエイター向け製品で重要なポイントだろう。
「DAIV 5N」がクリエイター向けをうたううえで、ディスプレイスペックは外すことができない。まず解像度。15.6型のノートPCでも現在のスタンダードはフルHD(1920×1080ドット)、一部ゲーミングノートPCなどで4K(3840×2160ドット)モデルがある。本機はというと、その中間のWQHD(2560×1440ドット)を採用している。
クリエイティブ用途であれば高解像度のほうがいいと思われるかもしれないが、そう単純にはいかない。15.6型というパネルサイズで4K解像度となると、ドットピッチが小さくなりすぎるので、OSのスケーリング機能を利用するのが一般的だが、アプリケーションによってはスケーリングでUIが崩れるものもある。本機を100%スケーリングで試してみたが、確かにフルHD時より文字が小さく表示されても老眼でもあるときつそうだが、一般的な視力であれば十分に読める程度の大きさだ。そのうえで複数のタイムラインを扱う映像編集ソフトなどを利用する際、フルHDよりも解像度が高い分、スクロール不要で確認できる情報量が多い。
もう一つ重要なのがsRGB比100%というパネルスペックだ。この点で、一般的なノートPCのディスプレイよりも広色域である。ただしあくまで色域であって、色再現性を高められるベーススペックを備えているという意味だ。色再現性を求めるのであれば必要に応じてディスプレイキャリブレーターを併用するのがいい。
キーボードは100キー日本語仕様だ。テンキー付きなので、数値入力で微妙な位置合わせを行うような際でも素早く入力できる。また、配列も一般的な仕様なので何か特別に覚え込まなければいけないようなこともない。そしてキータッチもなかなかよいのがポイントに挙げられるだろう。キーピッチは約18.75mm、ストロークは約1.4mmも確保されている。ノートPCとしては打鍵感がいい製品だ。また、バックライトも搭載している。ベースがゲーミングモデルなので、標準状態ではカラフルだが、専用ユーティリティのCommand Centerからカスタマイズが可能なので好みに応じて変更したい。
タッチパッドもまずまずの大きさで操作性は悪くない。ただし、多くのクリエイターはマウスを用いることになるだろう。そこで重要なUSB端子は左側面に10GbpsのUSB 3.2 Gen2を1基、右側面に5GbpsのUSB 3.2 Gen1を2基用意している。
また、これとは別に背面にUSB Type-C端子を備えているが、これがThunderbolt 4やDisplayPort Alt Mode(ディスプレイ出力)に対応している。クリエイターならThunderboltはご存じだろう。現在実装が始まっているUSB 3.2 Gen2x2が転送速度20Gbpsであるのに対し、Thunderbolt 4は40Gbpsの転送速度で2倍高速だ。つまり、外付けSSDなどをここに接続することで、作品の保存先として、データの受け渡し手段として活用できる。
また机の上で作業する際、ディスプレイが本体パネル1つでは足りないということもあるだろう。本機はHDMI端子を備えており、ここに1台外部ディスプレイを接続できるが、Thunderbolt 4端子からもDisplayPort変換、HDMI変換ケーブルを利用することで、もう1台外部ディスプレイを接続できる。HDMI端子も、Thunderbolt 4端子も、それぞれ4K解像度までのディスプレイをサポートしているので、作業領域が足りないという悩みも解消できる。
そのほか、ネットワークも重要だろう。本機は有線LANが2.5GbE、無線LANもインテル Wi-Fi 6 AX201を採用している。取り扱うデータサイズが大きいクリエイティブ用途では、高速なネットワークを積極的に採用する傾向がある。特にこのところデスクトップPCでの2.5GbE対応が加速しているので、2.5GbEネットワークを構築しようという動きも活発だ。USBアダプタで対応することも可能だが、本体が標準で対応していることは、既存の2.5GbEネットワークに接続する場合も、今後2.5GbEを導入する場合でも、大きなメリットとなるだろう。
作品の可能性を広げるクリエイターノートPC「DAIV 5N」
高性能なハードウェアスペックを備えるのはハイスペックPCであれば可能だが、クリエイティブ用途では高色域のパネル、Thunderbolt 4、高音質オーディオといった部分のスペックが、ほかの用途と決定的に異なるニーズだ。これらをそろえ、メインの制作用PCとしても利用できるのが「DAIV 5N」だ。
クリエイティブユーザーも今ではリモートワークが求められたり、作品サンプルなどをモバイルし、クライアントとのミーティングを行ったり、といったワークスタイルが求められるようになってきた。こうした新しい働き方のクリエイティブユーザーには「DAIV 5N」が最適な制作PCになるだろう。
※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
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型番 | DAIV 5N |
ディスプレイ | 15.6型WQHDノングレア(2,560×1,440 ) |
CPU | Intel Core i7-11800H |
メモリ | 16GB DDR4-3200 SO-DIMM |
M.2 SSD | 512GB(NVMe対応) |
チップセット | Intel HM570 |
光学ドライブ | - |
グラフィックス | GeForce RTX 3060 Laptop GPU |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
LAN | 2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応、 Intel Wi-Fi 6 AX201(IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n)+ Bluetooth 5モジュール内蔵無線LAN |
インタフェース | Thunderbolt 4(背面 Type-C×1)、 USB Type-A 3.1(左側面×1)、USB Type-A 3.0(右側面×2) |
サイズ | W355.5×D236.7×H20.6mm(折り畳み時/突起部含まず) |
重量 | 約1.73kg |
バッテリー 駆動時間 |
約6.0時間 |
価格 | 230,780円(税込)~ |
上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。
価格・構成については、2021/11/17(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。
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