今回レビューしているのは、標準構成(メモリ8GB、ストレージ512GB)のG-Tune E5だ。グラフィックスのGeForce GTX 1660 TiはDirectX 12世代としてはローエンド~ミドルレンジの間という位置付けになる。ゲーミングPCを名乗る以上、実際のゲームが快適に遊べなければ名前負けになってしまうが、実際の性能はどうだろうか。各種ベンチマークテストと、実際のゲームでフレームレートを計測してみた。

まずは3Dグラフィックスベンチの定番「3DMark」で、DirectX 12世代用ベンチ「Time Spy」を実行する。総合スコアは5516で、CPUは5885、GPUは5451という数値だった。Time Spyの5000点台というのは、比較的軽めのゲームでフルHD解像度なら余裕、中程度の重さのゲームは設定を詰めれば快適といったところ。ゲームでいえばPUBG、Final Fantasy XIVあたりが中程度、Apex LegendsやストリートファイターVなどが軽めのタイトルの代表例だ。Time Spy中のフレーム数は平均して30fps程度で、気になるようなカクつき感もなく、スムーズに動作した。

  • 3Dグラフィックベンチの「3DMark」でDirectX 12世代用ベンチの「Time Spy」を実行。スコアの数値的には現行のハイエンドであるRTX 20世代と比べて半分くらい。フレーム落ちなどはあまり感じられない

続いて、CPUの処理速度を計測するべく、マルチコア・マルチスレッディング対応のベンチマークアプリ「CINEBENCH R20」を実行してみた。こちらは負荷の高いレイトレーシング処理をCPUのみで演算するベンチで、スコアはCPU全体で2788、シングルコアで482。参考までに、第8世代のモバイル向けCore i7-8665U(シングルコア437、マルチコア1284)と比べると、マルチコア時に2倍以上のスコアを発揮している。コア数は1.5倍で、ターボブースト時のクロック周波数も200MHzしか違わないので、マルチコア時の効率がより高まっているようだ。ノートPCのCPUとしてはかなり良好なスコアといえるだろう。

  • 6コア・12スレッドで動作するので、実際に処理されているときは一度に12ブロックずつレンダリングされる。その様子は圧巻だ

実際のゲームタイトルでの性能を見るために、「Apex Legends」のデフォルト設定でのフレームレートも計測してみた。比較的軽めなゲームではあるが、快適なゲーム動作の目安である60fpsが常時出ており、乱戦状態でもコマ落ちなどは感じられず、かなり快適に遊べた。この調子なら、もう少し重いFPS系のタイトルでも、デフォルトの設定で60fps前後はキープできそうだ。

  • Apex LegendsでFPSを計測。60fps止まりなのはディスプレイの上限もありそう。スペック的には100fps台は余裕で出そうだ。なおバッテリー駆動時は内蔵GPU動作に切り替わるため、30fps固定になった
    © 2020 Electronic Arts Inc.

ゲーミングPC全般にいえることだが、性能的に余裕があるため、仕事や趣味にも活用できる点にも注目したい。Officeはもちろん快適に動作するし、グラフィックス系のアプリもサクサク動く。ブラウザやOffice系アプリなど、実際の動作を元に計測するベンチマーク「PCMark」で計測してみたところ、結果のスコアは5277。スコアの内訳をジャンルごとに見ていくと、ブラウジングなど基礎的な動作を計測する「Essential」が8759、Office系アプリの動作を計測する「Productivity」が7901、ビデオ編集などの「Digital Content Creation」が5764となった。

  • 実際のアプリを動かしてさまざまな実作業と同等の負荷をかけるPCMarkで検証。スコア的にはほとんどのアプリが十分快適に動作する結果となった

標準構成ではストレージ容量が512GBなので、リモートワークで自宅作業をしたり、ビデオ会議を行うには十分な性能だ。とはいえ、ビデオ編集などをするならメモリと合わせて、外部ストレージをプラスで追加するのが良さそうだ。

PCゲームを楽しんでみたいが、設置場所などの問題で諦めている人にとって、ゲーミングノートPCはうってつけの選択肢だ。G-Tune E5は、ライト~ミドルゲーマーの入門機として、可搬性の高い薄型ボディにゲームのみならずさまざまな用途に活用できるスペックを詰め込んだ、高コストパフォーマンスな一台だ。これからPCの買い替えやサブ機を検討している人にとっては、候補に入れる価値があるだろう。

※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 G-Tune E5
ディスプレイ 15.6型フルHDノングレア(1,920×1,080)
CPU Intel Core i7-10750H
メモリ 8GB PC4-21300 DDR4 SODIMM
M.2 SSD 512GB(NVMe対応)
チップセット モバイル Intel HM470
光学ドライブ
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti/Intel UHD グラフィックス
OS Windows 10 Home 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN、Intel Wi-Fi 6 AX201(最大2.4Gbps/ IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n)+Bluetooth 5モジュール内蔵無線LAN
インタフェース USB 3.1×2(Type-A/左側面×1、Type-C/背面×1)、
USB 3.0×1(左側面)、USB 2.0×1(左側面)
サイズ W364.5×D258×H28.7mm(折り畳み時/突起部含まず)
重量 約2.16kg
バッテリー
駆動時間
約9.5時間
価格 149,800円(税別)~

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2020/9/4(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。

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