マウスコンピューターは同社のクリエイター向けブランド「DAIV」から、デスクトップPC用AMD製プロセッサーと、NVIDIA製ディスクリートGPUを搭載した15.6型クリエイター向けノートPC「DAIV 5D-R5」を販売開始した。従来モデルではモバイルノートPC向けディスクリートGPU「GeForce MX」を組み合わせることで、消費電力を抑えて一定のバッテリー駆動時間を確保していたが、本製品は電源利用可能な屋内使用を前提とすることで3Dグラフィックス性能を向上させている。

  • マウスコンピューター「DAIV 5D-R5」109,800円(税別)

デスクトップPCから本製品にリプレースする企業担当者側のメリットとしては、本製品と同等のスペックの高性能デスクトップPC+sRGB比102%の高画質ディスプレイ+各種デバイスのトータルコストより安価で、かつテレワーク用機材として手軽に持ち運びも可能という点が挙げられる。もちろんオフィスと自宅にそれぞれパソコンを支給する必要がないことは言うまでもない。

またユーザー側のメリットとしては、デスクトップPC、ディスプレイ、キーボード、マウスなどの組み合わせよりも、設置面積がコンパクトな点も見逃せない。もちろん使わないときはディスプレイを閉めるだけですぐに収納できる。書斎などがなく、リビングやダイニングなどの生活空間でテレワークする方にとって省スペース性と素早く片付けられることは見逃せないポイントだ。

  • デスクトップ型との設置スペース比較イメージ

今回、本製品の実機を借用したので、基本スペック、使い勝手、パフォーマンスなどにスポットをあててレビューをお届けしよう。

  • AMD製デスクトップPC向けCPUと、NVIDIA製ディスクリートGPUが組み合わされており、クリエイティブ系アプリだけでなく、3Dゲームなども快適にプレイ可能なパフォーマンスを実現している

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今回のDAIV 5D-R5は「DAIV 5D」シリーズの中の1モデル。DAIV 5D-R5は「Ryzen 5 3500プロセッサー」(6コア6スレッド、3.60~4.10GHz)が搭載されているが、上位モデルとして「Ryzen 7 3700Xプロセッサー」(8コア16スレッド、3.60~4.40GHz)を採用した「DAIV 5D-R7」もラインナップされている。

もちろん、DAIV 5D-R5が109,800円(税別)、DAIV 5D-R7が139,800円(税別)と価格差があるので、予算に応じて購入するモデルをご検討いただきたい。なお、標準構成ではDAIV 5D-R5が8GB、DAIV 5D-R7が16GBとメモリ容量にも差別化が図られている点には留意してほしい。ただ、2モデルともBTOで最大64GBまで増やすことができるので、必要ならカスタマイズしよう。

改めてDAIV 5D-R5の基本スペックについて解説していくと、OSは「Windows 10 Home 64ビット」を採用。メモリは前述の通り8GB、ストレージは512GBのNVMe接続SSDを搭載。ディスプレイは15.6型フルHDノングレア(LEDバックライト、1,920×1,080ドット、60Hz)が組み合わされている。

マウスコンピューターの直販サイトで購入する際には細かくカスタマイズが可能で、OSはWindows 10 Home 64ビット/ Windows 10 Pro 64ビット、CPUはRyzen 5 3500/Ryzen 5 3600、メモリは8GB/16GB/32GB/64GB、M.2ストレージは512GB/512GB(SAMSUNG製PM981a)/1TB/1TB(SAMSUNG製PM981a)、2.5型ストレージは「なし」/1TB HDD/2TB HDD/500GB SSD/1TB SSD/2TB SSDなどが用意されている。

このカスタマイズ項目の中で、予算に余裕があればぜひアップグレードしておきたいのがCPU。プラス7100円で選択できるRyzen 5 3600は6コア12スレッド、3.60~4.2GHzというスペックでスレッド数が倍なのだ。マルチコア、マルチスレッドに最適化されたアプリケーションで大幅なパフォーマンスアップが見込めるので、前向きにご検討いただきたい。

  • クリエイター向けブランド「DAIV」のパッケージは、そのパフォーマンスを予感させるようなド派手なデザインが特徴だ

  • パッケージには、本体、バッテリー、ACアダプタ、電源ケーブル、マニュアル類(製品仕様書、ファーストステップガイド、マウスコンピューターサポートマニュアル、保証書など)が同梱されている

バッテリー駆動時間は約1.5時間、ACアダプタは比較的軽量

DAIV 5D-R5の本体サイズはW361×D258×H33mm、重量は約2.62kg。バッテリー容量は62Whで、バッテリー駆動時間は約1.5時間とされている(JEITA測定法2.0)。デスクトップPC向けプロセッサーを搭載しているだけに、ある程度の重量となってしまうのは致し方ない。

またバッテリーは脱着式だが、2本のネジで固定する仕様となっている。外出先で取り外して使うのではなく、バッテリーが経年変化して交換しなければならなくなったときのメンテナンス性を重視した設計ということだ。

なお、デスクトップPC向けのCPUとディスクリートGPUを搭載しているにもかかわらず、ACアダプタが電源ケーブルと合わせて実測607gと比較的軽量に作られている。リュックサックなどに入れるのであれば、手軽に本体と一緒に持ち運べるはずだ。

  • 本体の実測重量は2636g

  • ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は実測607g

  • バッテリーの重量は319g

  • ACアダプタのコード長は実測180cm前後、電源ケーブルの長さは実測100cm前後

  • ACアダプタの型番は「A17-180P4A」。仕様は入力100-240V~2.5A、出力19.5V/9.23A、容量180W

  • バッテリーの型番は「PB50BAT-6」。容量は62Wh

  • ディスプレイの最大展開角度は実測131度前後と少し浅め